俺1人VSカースト最上位女子7人の殺戮戦争
いっちにぃ
第1話
「はっ…?なんだよ、ここ…
確かに俺はさっきまで電車に乗ってたよな?どこだここ…?誰かぁ!」
辺りを見渡すが狭い石畳みの部屋の中には俺だけで、もちろん俺の問いかけに答える者はいなかった。
パニックになりかけたそのとき、俺は部屋の一角に鉄の扉を見つけた。
一目散にその扉に駆け寄り開けようと必死になったが押しても引いてもびくともしない。
「落ち着け…冷静になれ」
自分で自分に言い聞かせ、現状を把握するために頭をフル回転させる。
そうだ。俺は学校から帰宅するために電車に乗っていたはずだ。その証拠に制服を着用しており、通学バッグも隣に落ちている。
そして、最後に覚えている光景を思い出す。
(俺はロングシートに1人で座っていて、、そうだ。前にはクラスの女子がロングシートにぎっちり座っていた)
俺はその光景を鮮明に思い出すことができた。
♢
「こっち狭いってぇ〜、誰かあっち座りなよ」
クラスの女子の中でもカーストトップの武内愛美がこちらを見ながら声をひそめずにクスクス笑って取り巻きの女子たちに言う。
すると、取り巻きの女子の一人である杉本陽菜がこちらを見ながら笑った。
「絶対嫌だぁ〜、アイツ何考えてるかわかんないもん。ちなつ、あんた行ってあげなよ」
急に指名された川上ちなつは嫌悪感をむき出しに杉本へと突っかかる。
「嫌に決まってんでしょ!!陽菜、絶対わかって言ってるよね?」
俺の向かいで大爆笑が巻き起こる。
ひとしきり笑ったあと、上原美香がまるでゴミを見るように俺を見た。
「ってかさぁ!一人でロングシート使うってどうなの?
誰かさんがどっか行ってくれたら快適に使えると思うんだけどなぁ?」
「ほんとそれな!!」と青山しずく・森下泉・西本沙耶香が同調した。
こいつら7人はいつも一緒でカースト最上位グループだ。
それに比べ俺はカースト最底辺。
争うだけ無駄だと思い席を立とうとしたあの瞬間一瞬視界が真っ暗になった。
♢
とにかく俺は体に異常がないか、持ち物はあるかを調べてみる。
そこで初めて自分の首に金属の輪が嵌められていることに気づいた。
「なんだ…これ?首輪…?」
首輪を触りながら俺はとある映画を思い出した。
その映画では首輪が爆弾になっていて、、、そこまで考えた俺は恐怖でパニックに陥った。鉄の扉を力一杯叩き声の限り叫んだ。
「誰かぁぁ!!助けて!!!」
だが、その願いも虚しく扉が開くことは無かった。
絶望し地面へとへたりこんだ。と、その時室内に機械音がこだました。
「プレイヤー一名を確認……プレイヤー名『三鍵唯人』…確認完了
ゲームのルールを説明します。
本ゲームは2チームにわかれて争われます。
室内中央映像にご注目ください」
すると、中央に立体映像があらわれた。慌てて中央へと駆け出した。続けて機械音が響く。
「現在映し出されているのがフィールドです。現在地が青で示されています。こちらがプレイヤーの拠点となります」
映し出されたフィールドは長方形の形をしておりちょうどサッカーのグラウンドのようだ。その一番右端中央が青く光っていた。
「そして、赤で示されているのが相手の拠点となります」
こちらと反対側の左端中央が赤く光っている。
次に赤と青以外のフィールドの大部分が緑に光った。
「緑で示されている場所は森林エリアとなっております。森林エリアにはさまざまなアイテムが配置されています。
アイテムはプレイヤー一名のみ獲得が可能です。獲得したアイテムは自由に使用できます。
なお、森林エリアには魔獣が解き放たれておりプレイヤーを認識すると攻撃を加えます。お気をつけください」
頭が追いつかない。魔獣…?アイテム…?
俺の混乱をよそに機械音は説明を続ける。
「本ゲームの勝利および敗北条件について…
勝利条件
①相手プレイヤー全てが死亡する
②相手プレイヤー全てを降伏させる
③相手の拠点中心にある核を破壊
敗北条件
①味方プレイヤー全てが死亡する
②味方プレイヤー全てが降伏する
③拠点の中心にある核を破壊される
降伏したプレイヤーは相手プレイヤーの奴隷状態となり相手プレイヤーの命令に一切逆らうことができません。
ただし、味方プレイヤーが解放もしくは勝利した場合には解放され、勝利チームと同じ権利が与えられます。
なお、勝者チームには敗者チームの全てが与えられます」
乾いた笑いしか出てこない。
(ははっ…まじかよ…味方プレイヤーって俺一人しかいねぇじゃん…それに全てってなんだよ…奴隷状態より酷いのは間違いないよな?ってことは命さえ…?)
夢なら醒めてくれ!!と願う。そんな俺の願いを嘲笑うかのように機械音は更に続けた。
「味方プレイヤー、相手プレイヤーに関する情報は室内映像でいつでも確認できます」
映像が切り替わり味方プレイヤー情報として俺の顔と名前が表示された。
【ステータス:生存】となっている。
そして、次に相手プレイヤー情報が表示された。
そこには俺の目の前に座っていたクラスカースト最上位の7名の顔と名前が表示されていおり一人一人に【ステータス:生存】がついていた。
「説明は以上です。
ゲームを開始します。
頑張って勝利を目指してください」
機械音が無情にもそう告げると鉄の扉が開いた。
1人VS7人の殺戮戦争が幕をあけた瞬間だった。
俺1人VSカースト最上位女子7人の殺戮戦争 いっちにぃ @t-xillia
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。俺1人VSカースト最上位女子7人の殺戮戦争の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます