父との生活

母と会えなくなってからの記憶のほうがはっきりしている。

父は私とずっと一緒にいた。長距離トラックの運転中も、私を乗せて走った。私が退屈しないようにトラックの寝台のところにビデオデッキを取り付けてくれた。毎週近所のレンタルビデオ店に行き、私にアニメを5本借りてくれた。映画好きな父は洋画を2本。トラックの移動中、寝る前、父が荷物を下ろしているとき、ずっと見ていた。たまに父がトラックを離れている時間が寂しくて、大きな声で父を呼ぶとすごく怒られた。全部、覚えている。


父の実家には、父の母しかいない。私にとっては父方の祖母になる。祖父は私が生まれる直前に自殺した。

この祖母が本当に怖い人だった。叱られるとすぐに押し入れに閉じ込められた。その時間が怖くて仕方なかった。おやつも、祖母のパート先の食堂で揚げ物をするときに出る天かすだった。それがすごく苦手だった。


父とべったりな生活もしばらく経つと終わり、私は保育所に入ることになる。それから祖母と二人の生活が始まったのだ。これが苦痛で仕方なかった。


私がどうにかできるわけでもないので、我慢して父の休みを待つしかなかった。


祖母は度が過ぎる程の守銭奴だった。先ほども言ったように子供のおやつにも金をかけない。私は天かすか山から取ってきたムカゴしかおやつで食べさせてもらえなかった。祖父は祖母に大切な土地を売られたことを悲観して自殺したらしい。よく父とも金の話でもめていた。だんだんと肩身が狭くなる感覚がしていた。


そんなときには心から『ママに会いたい』と思った。


理由はわからない。でも会いたくなったのだ。

あの時、ママについていくと言えばよかったと何度も思った。

祖母にも父にも言えなかったが、寂しくて仕方なかった。



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母。 @mommom_mm

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