就寝前のえっちなマッサージ

 やっぱりB級だった映画を見終えた。

 なんだか人間の醜い部分が色々垣間見えた――気がする。


「エンディングだな。木葉、俺は風呂に入るよ」

「うん。あたしも一緒に入るよ」


 今日も水着で入ってくれるらしい。

 ここのところ毎日だ。

 おかげで目の保養になっているし、風呂が楽しみにもなっていた。


 可愛いギャルと一緒に風呂とか最高すぎた。



 今日もお互いの疲れと汚れを洗い流し、浴槽へ浸かった。これも毎日十五分~三十分。他愛のない話を交わし、木葉との仲を深めた。



「気持ち良かったよ、木葉。マッサージありがとう」

「お安い御用よ~。それにあたし、マッサージするの好きだからさ。ていうか、風吹くんもしてよ~」


「え? 俺も?」


「うん。その……あたしの部屋でしてくれる?」



 そんな反則チート級の上目遣いでお願いされ、俺は胸がズキューンときてしまった。こんなの断れない。断ったら絶対に後悔する。



「……分かった」

「うん、じゃあ行こうか」



 木葉の部屋に向かい、ゆっくりとベッドへ向かう。

 ふかふかのベッドの上に寝そべる木葉は、うつ伏せになった。


 今日も普段と同じ、シャツにショートパンツ。


 つやつやの長い金髪。

 背中のライン。

 男心をくすぐるくびれ。

 突き出た可愛いお尻。

 スリムなふともも。

 無駄のない足。

 爪先はネイルで赤い。


 肌は傷ひとつなく、シミすらもない。



「……っ」

「どうしたの、風吹くん。またがってよ」

「ま、またが!?」


「マッサージってそういうものでしょ」


「まてまて。木葉は俺の肩を揉んでくれただろう。俺も同じようにしたいんだが……これでは襲うみたいで色々ヤバイ」


「好きにしていいから」

「す、好きに!?」



 ……やばい。

 好きにしていいとか、どこまで許されるんだ、これ。


 案外、あっちもこっちも触れても……怒らない?



 俺はごくりと息を飲み、まずは木葉に跨る。



「……」

「重くないか?」

「大丈夫だよ。じゃあ、好きにして」

「お、おう」



 まずは基本の“肩揉み”だよな。

 両手を伸ばし、俺は木葉の肩に触れた。


 木葉は、ぴくっと反応してくすぐったそうだ。ていうか、肩が華奢すぎる。折れちゃいそうだぞ。



「……っ」

「ま、まだ肩に触れただけだ」

「う、うん」



 俺はゆっくりと木葉の肩を揉んでいく。もみもみしていく。



「……ん、ぁ」

「ちょ、木葉! なんでそんなエロい声を出す!? 肩を揉んだだけだよ!?」

「だ、だって……気持ちいんだもん」


 いやいや、明らかにおかしい声だったような? いやだけど、女子はそういうものなのかもしれない。うん、そういうことにしておこう。


 俺は勝手に納得した。

 納得してマッサージを続行した。


 ゆっくりと丁寧に揉み解していく、


 その度に木葉は俯きになって、耳まで真っ赤にして……痛み(?)に耐えていた。


 うん、痛いんだよな。

 胸が大きいと肩が凝りやすいと聞くし、きっとそうだ! そうなんだ!


 そのまま背中を親指で指圧したりしていく。


「どうだ」

「ちょ! 指使いがえっちすぎる……」


「んなっ!?」


「ちょっとタンマ。もう無理ぃぃ! 風吹くん、それはわざとじゃないよね!?」

「普通のマッサージだ! そんなエロに特化した覚えはない」

「だよね。でも、なんだか変な気分になってきた」



 木葉はいつのまにか涙目になっていた。


 そんなに俺のマッサージが変だったか?


 う~ん、指の使い方?


 ……そうだな、ちょっと加減を変えてみるか。



「いくぞ、木葉」



 俺は、木葉の背中をマッサージしていく。だけど、木葉はジタバタ暴れ、叫んだ。



「む、む、無理~!!」

「痛かったか?」

「か、感じすぎちゃって……風吹くんってば……うぅ」



 わずかに痙攣けいれんして脱力する木葉は、どこか虚ろ。そこまで俺のマッサージは変だったのか。知らなかった。



「すまん。そんなつもりはなかったんだが」

「もー! こうなったら、前もやってもらうよ」


「ま、前!?」

「うん、前」


 くるっとこっちへ向く木葉。

 薄着だから、胸の強調が凄まじい。

 って、どこをマッサージすればいいんだよ!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る