第3話 現状把握が最優先。
美少女になって一ヶ月。
一時は危なかったらしいけど、何とか起きられるまでになった。
多分一ヶ月寝た生活してたので、衰弱してるし、体を動かしてないから筋肉落ちてて、まだ座ってるだけで息があがる。
こんな状態の私だが、やらなければならない事がある。
それはサウスリアナ(長いな。リアナでいいや)の痕跡の調査!
大抵の思春期の女の子は何かしらに黒歴史を残している。
それを手掛かりに現状把握に努めるのだ!
でなきゃ年若い娘さんが刺されて重症の意味がわからん。
幸い狸寝入りしてたので部屋に誰もいない。
恐らく立てないだろうからとベッドに後向きに足を下ろし上半身を起こそうとしたら、足に全く力が入らずズルズルと床に正座し腕と頭はベッドの上になった。
誰も見てないよね?!
補助なしで立てないので這いずって(この部屋広いんだよっ!)机の前に行き引出しを漁る。
勉強道具や、アクセサリー類はあるけどこれといってヒントはない。
次に本棚を見る。日記とか、ブラックリストとかないかなー?
しかしこの本棚全部見るの?
棚3つあるんだけど·····。
ちょっと今日は無理かもと諦めようとした時、暗闇で会った美少女が最後に2段目のなんちゃらって言ってたのを思い出した。
2段目から確認していこう!
机の横の本棚の2段目を見ていき、3番目の棚の2段目右端の奥行きが浅い。
根性で本を出して奥に触れると外れた。
そこには三冊の本が会った。
たぶんこれ日記だ。
また本を戻して既に息があがってたけど、戻らなきゃ隠れてやってる意味が無い。
フーフー言いながら三冊の本を持って這いずってベッドに戻るーー途中、ノックの音が聞こえた。
嘘でしょ!!
私は急いでベッドの下に本を隠して
「お嬢様。お食事をお持ちしました。開けますね。」
と丁寧に言ってからメイドさんがドアを開けた。
ギリギリセーフ。ホッ。
ベッドの下にいる私を見て「きゃー!」
と悲鳴を上げ走って来るメイドさん。
途中でテーブルにトレーをおくのも忘れない。
私の体全体を見て異常がないか確認しながら聞いてくれる。
私の朦朧期の時も、声をかけながら丁寧にしてくれたメイドさんだ。
「どうしました?何処か打ちました?痛いところはないですか?」
そう言って左肩に眼を止めた。
肩の傷が少し開いて血が滲んでた。
道理で、ズキズキすると思った。
「あ、あの水を」
まだ声がガッスガスだけど、聞こえた様で
「その前にベッドに戻りましょう。それからお水を飲んで下さい。」
と言って呼び鈴を鳴らしもう1人のメイドさんとベッドに上げてくれた。
このメイドさんなら信用出来そう。
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