第3話 喧嘩売られました。

浮気男もとい、ルフガル王国第一王子ガムビルと略奪女の子爵令嬢パルキエ・インデスがイチャコラしてる所に婚約者の公爵令嬢イズラール・カルティスが現れた。


「殿下。今日、王宮に参りますの。ご一緒に帰りませんか?」


笑顔であの仲に割って入れる公爵令嬢凄い!パチパチパチ


しかし相手は空気読まない略奪女。


「ごめんなさい。今日は、私と魔法の練習をお願いしていて·····」


お前が返事すな!

なんで王子に公爵令嬢婚約者が話しかけてんのに、子爵令嬢略奪者如きが返事してるのよ!!


そしで周りも公爵令嬢睨むってなんなの?!


この国って身分制度に厳しかったよね?


「そういう訳だ。一人で行ってくれ。」


「しかし今日はコルクス王国のーーー」


最後まで言えずに護衛の騎士が立ちはだかる。


「聞こえなかったのか。聖女との大事な用事だ。その程度ガムビル殿下が出るまでもない。」


「そうですよ。どちらが大事かわかるでしょ。」


今度は天才魔法士が出てきた。しかも私との用事より略奪女のほうが大事って言った?


その喧嘩買わせてもらいます。


私は彼らのテーブルに向かった。


「お話し中、お邪魔してごめんなさい。」


私は優雅にカーテシーをした。

最初に反応したのはイズラール様だ。即座にカーテシーをする。


「ジュノー王女殿下。お騒がせしてしまい申し訳ありません。」


それから護衛騎士が跪いた。

天才魔法士も礼をする。


遅れて子爵令嬢、王子が立ち上がった。


「ジュノー王女殿下。わたーー」


「挨拶を許してません。しかも名前を呼ぶなんて。

その程度・・・・と思われているから、無礼を無礼とも思わないのかしら。」


護衛騎士が私に挨拶をしようとしたが許さなかった。


「コルクス第一王女殿下。こーーー」


「貴方にも発言を許した覚えはないわ。

一つのものに特化した者は常識知らずになるのかしら。」


天才魔法士の発言も遮って嗤ってやる。

いくら小国とはいえ侮られるような発言は看過できない。


「皆さん、貴女と仲良くしようとしているだけよ。そんな事言わないで。」


貴女と仲良く・・・・・・

···············


私、ルフガル語の理解力が低下しているの?

今ものすごく馴れ馴れしく言われた?


「王女殿下!大丈夫でございますか?」


イズラール様が私の手をそっと取り心配そうに見ていた。


魂抜けていたわ。ありがとうイズラール様。


「ええ。わたくしルフガル語は自信があったのですけれど、そうでもなかっようです。」


引き攣った笑みでなんとか答える。


「いいえ。殿下のルフガル語は完璧です。我が国の者が申し訳ありません。」


私の手に額づくように礼をする。

やっぱり聞き間違いじゃなかった。


「顔を上げて下さい。貴女が謝る事ではありません。」


ちょっと可哀想。こんな女の為に頭を下げなきゃいけないなんて。


「ジュノー姫。彼女は仲良くなりたくて言っただけなんだ。わかるよな。」


わ・か・り・ま・せ・ん!

巫山戯た発言するな!

言い返そうとしたら、後ろから怒りの篭った声が聞こえた。


「言い訳にしては陳腐だな」

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