6日目-1話

(さて。今日はサキのことを調べようと思ったんだが……情報源が足りねぇな)


 そろそろサキについて調べようと腰を上げたわけだが、今の想弥には何もない。本人に聞いてもはぐらかされるだけだろうし、何より気まずくなる事は必至だ。


(とりあえず、あの神社に祀られている本当の神について調べるのが先か?)


 祀られているものがサキでないことさえ確認できれば調査は大きく前進できる。とは言え、誰に確認を取ればいいのだろうか。神主や巫女に聞くのが確実だろうが、急に聞かれても困るだろう。


(となると、本宮家の権力をフルに使って調べるしかないか)


 家の離れにある蔵を漁り、神社に関する書物を数冊取り出す。


 両親に気づかれないように自室に持って帰り、要点のピックアップを始めた。


(まずは祀られてるもののことを調べて、次に本宮の家系について調べるか。何かあったら蒼月に聞けばなんらか分かるだろ)


 そう思い、書物を読みふける。もちろん怪しまれないようにご飯の時間にはちゃんとリビングに下りて、自然に振る舞う。


(はぁ……息が詰まるな。早いとこ終わらせねぇと)


 再び机に向かう。割とあった書物も減り、多少は心が楽になる。



(……はぁ⁉ なんだよこれ!)


 時間が過ぎ、遂に情報がまとまった。しかし、想弥が知った真実は――


(蒼月に確認取るのが最優先だ! そもそもこれ自体が改竄されてる可能性だってあり得る!)


 そう信じ、蒼月に電話を掛ける。三コール以内に出てきた。


「もしもし」


「もしもし、想弥? どうかしたのか?」


(どうかしたのか、じゃねぇよ!)


 怒鳴りたい気持ちを精一杯押さえつけ、なるべく冷静に問いただす。


「――久遠清祈くどおさき。この名前に聞き覚えはあるか?」

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