第15話 兄妹だからお風呂はOKか?

「シ、シルフィ!?」

「お、お兄様にどうしても聞きたい事があって……」


 頬を紅潮させて白く細い足がバスタブを跨ぎ、俺の隣の湯船に入るシルフィ。


「だ、だからって、風呂場に入ってくる事は無いんじゃないか?」

「今は、お二人が寝ているから……」

「……そっか」


 いいのか、オイッ! 俺はシルフィの綺麗な裸をめっちゃ見たい衝動を必死に抑え、正面の白いタイル壁に目を凝らす。


「私も、お兄様の事をトーマさんと呼んだほうがいいのかな?」

「いや、俺はお兄様と呼ばれた方が嬉しいぞ」


 なにせ義妹いもうとだよ! トーマと呼ばせてしまえば、シルフィは義妹では無くなってしまう。義妹を手放すなど言語道断! 現世に置いてきたラノベ達に申し訳が立たない。


「……お兄様は、私の事をやはり妹だと」

「ま、まあ、そうだな」

「……お兄様は、もうお兄様ではないよね。見た目も全然違うし……」

「見た目は変わったよな。俺もびっくりした。これでキモデブは卒業だな。キモくないだろ?」

「う、うん……」


「話しってのはそれか?」

「あ、あと、リオンお兄様はトーマお兄様の世界に行ったというのは本当なの?」

「ああ、今頃は俺の部屋でお宝を楽しんでいるだろうな」


 アパートの部屋にはゲームにラノベ、更には♡♡♡な物も転がっている。リオンが「デカルチャー」と叫んでいるのは間違いない。


「お宝? お兄様の部屋には財宝があるの?」

「……ま、まぁ、娯楽的なヤツだよ。こっちの世界には無い文化だよ」


 ◯◯ゲーとか絶対にないはずだ。


「へ〜、お兄様の世界か~。リオンお兄様はそちらでやっていけるのかな?」

「まぁ、俺と同じで、リオンも俺の記憶を継承しているから、基本的には大丈夫な筈だけど、無職だからな〜」


 いや、仕事していないから良いのか? 複雑な人間関係がないからな。


「お兄様は大丈夫なの? こちらの世界に来て?」

「勿論! 可愛い義妹いもうとに、素敵な王女様、チビッ娘のボクッ娘美少女が婚約者になった時は、めっちゃ嬉しかった。皆んなと結婚出来るかは分からないけど、辺境で暮らすのも楽しみだよ」

「……そっか」


 シルフィの姿は


「じゃ、じゃあ、俺は出るわ」

「えっ、ちょ、ちょっと待ってよ」

「まだ何かあるのか?」


 はっきり言おう! 俺の◯が限界突破しそうであると! 美少女の義妹と入浴なんて、ヤバいって!


「え、えっと……」

「無いんなら出るぞ」

「あれよ、あれ! あれは何?」

「ん? あれはシャンプーとコンディショナーだな」


 シルフィが指差したのは、シャンプーとコンディショナーのポンプ式ボトルだった。


「シャンプー? コンディショナー?」

「髪の毛を洗う石鹸と、髪の毛を整えるコンディショナーだな」


 シルフィは興味津々な目でシャンプーを見ている。


「使ってみるか?」

「うん!」



「痒いところはありませんか〜?」


 そして、何故か俺がシルフィの髪の毛を洗っていたりした……。


 いいのか!?

 


 

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