Ⅷ
「あんたの言う通り、こいつを引き取って、俺も学園に通ってやるよ」
「それじゃあ!」
「ただし……」
シキはアリスを抱え上げ、左肩に載せると、
「あんたが、お金が払えない場合と、こいつが使えないものなら俺の奴隷として、一生働いてもらうから」
「なんでよ!」
アリスが怒る。
「ふふふ……。面白い子ね。いいわ。その条件、呑みましょう」
「お姉ちゃん!」
イリーナは返答し、アリスは姉に裏切られる。
「決まりだな。じゃあ、帰るぞ。後、お前はその怪我を治せよな。雑用係なんだから」
「私は雑用係じゃないわよ!」
「ピーピー、うるさい女だな。決まったんだから素直に受け入れろよ」
「嫌よ! ちょっと、変なところ、触らないでよ!」
「ああ? 触ってねーよ」
「触ってるわよ!」
二人はギャアギャア、言いながら地下水路を歩く。
その後ろを歩くイリーナは、ニコニコ、としていた。
「何笑ってんだよ……」
「別に、何でもないわよ」
三人は、その後、地下から地上に上がった。
これは、まだ、少年の物語の始まりに過ぎない。
セイブン国——
この国は、魔法の国。人種はおろか、様々な種族が、行き交う国である。
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