第18話
ショッピングモールには数多の服屋さんがあり、二人はショッピングモールの案内地図を目の前にどこから行くか悩んだ。
もちろん、詩帆がよく行く店もあるのだが、雫としてはいつもとは違うお店で詩帆のコーディネートをしたい。
「どこから行く?」
詩帆が雫に問いかけた。
ショッピングモール内のお店について、雫はリサーチ済みだったがそれでも悩んでいた。
キレイめ系から攻めるか、カジュアルなものから見ていくか…欲張りな雫は詩帆の色んな姿を見たいと頭を悩ませていた。
「うーん…」
しばらく考えて、雫は結論を出した。
「このお店から行こう。」
雫が指したお店は、キレイめ系ファッションが売りのお店だった。
早速二人でそのお店へと向かう。
詩帆は雫がどんな服を選んでくれるのかワクワクしていた。
普段はカジュアルな格好が多いから、キレイめ系の服を着ることも少ない。
店内に入り、服を見て回った。
雫は何度か服を手に取っては詩帆にあてがって見ていた。
「うーん…これは派手すぎかなぁ…」
「これだとスタイルが悪く見えちゃうかも…」
そんなことを呟きながら、何度も何度も服を手に取り、詩帆に似合う服を探した。
そうして見繕ってようやくコレと思うコーディネートを見つけた。
「これいいかも!詩帆ちゃん、これとこれ着てみて!」
目をキラキラと輝かせ、詩帆にあてがっていた服を詩帆に渡しながらそう言った。
それは、紺のマーメイドスカートと白のシンプルなトップスで上品さを感じるキレイめなコーディネートで、詩帆はあまり着たことがないコーディネートだった。
詩帆は自分で着たことがないコーディネートにドキドキしながら試着室へと入った。
そして着替えて、ドキドキしながら試着室のカーテンを開ける。
「雫ちゃん、どうかな…?」
恥ずかしげに佇む詩帆に雫は嬉しそうに微笑んだ。
「とっても
「ほんと…?こんなキレイめ系の服着たことがないからなんだか恥ずかしいな…」
照れくさそうに言う詩帆に、雫はキラキラとした目で褒める。
「詩帆ちゃんいっつもカジュアルな感じやけど、おっとりしてる雰囲気やしスタイルもいいからこういうキレイめ系も似合うと思ってん!詩帆ちゃんは着てみてどんな感じ?」
「すっごいドキドキする…!着たことなかったけど、似合うって言ってもらえるなら特別なお出かけの時とかはこういう格好したいなぁ。」
「ほんとに
「うん、ありがとう!」
再度試着室のカーテンを閉め詩帆が着替えると、二人はそのままレジに向かった。
そして会計を済ませると、二人はまた別のお店へと向かった。
次はカジュアル、ボーイッシュといくつかお店を周り、お店ごとに雫がコーディネートをしてくれた。
そのどれもが詩帆があまり着たことがないコーディネートで、こんなコーディネートも似合うのだと詩帆は驚いた。
たくさんの服を買い、ショッピングモール内を歩きながら詩帆は雫に尋ねた。
「こんなに服買ってもらってよかったん?」
その質問に雫は笑顔で答える。
「いいんよ!だって今日は詩帆ちゃんの誕生日やもん!私やって、色んな姿の詩帆ちゃん見れて嬉しいわ。」
そうして嬉しそうに手に持った服たちを掲げて見せた。
「さ、いい時間やしディナーに行こ!お店予約してあるから。」
雫にそう言われ、二人は雫が予約したカフェ&バーへと向かった。
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