第17話

よく晴れた春の日。

今日は、詩帆の誕生日だ。

誕生日を祝うために雫が東京から遊びに来てくれる。

二人が会うのは、バレンタインぶりだった。

空港まで迎えに行き、出口のところで待っている詩帆を見つけた雫が嬉しそうに駆け寄って来た。

「久しぶり!」

「久しぶりやね。でも毎日連絡とってるし、久しぶりって不思議な気分。」

「それもそうやね。」

バレンタインぶりの再会を喜びながら二人は笑いあった。

時刻は昼頃。

二人はまずランチを摂ることにした。

「お昼ご飯どこで食べる?」

今日のデートプランは雫が考えてくれている。

まだデートプランを知らない詩帆は雫に尋ねた。

「ショッピングモール行きたいから、そこのフードコートでご飯食べよう。」

「うん、わかった。」

詩帆の運転で二人は大きなショッピングモールへと向かった。

ショッピングモールに着き、フードコートへと向かう。

「何食べようかな〜。」

そう言いながら雫はフードコート内を見渡した。

フードコート内には、ラーメン、ハンバーガー、パスタ、サンドイッチ、ステーキ、うどん、丼物と様々なお店が並んでいる。

「悩むねぇ。」

詩帆もフードコート内をぐるりと見渡しながら悩ましい様子で言った。

「うちサンドイッチにしようかなぁ。お店のサンドイッチってなかなか食べへんよね。」

「確かにそうかも!私もサンドイッチにしようかなぁ。」

2人で視線を合わせて頷き、一緒にサンドイッチ屋さんにならんだ。

「詩帆ちゃんは何がいい?」

「うーん…私はこれにしようかな。」

そう言いながら詩帆はメニューを指差した。

それを見て雫は店員に注文をする。

「じゃあこれと、これ一つ。」

「はい、かしこまりました。」

間もなく注文したメニューが用意された。

「お待たせ致しました。」

店員から受け取り、フードコートの席に方へと移動する。

「この辺でいいかな?」

お店からそれほど離れていない席の辺りへ行き、二人は席に着いた。

食事をとりながら、詩帆は雫に尋ねた。

「今日のデートは何するん?」

その目はワクワクとした様子で目を輝かせていた。

その様子が可愛らしくて雫は自然と笑顔になった。

「今日はねぇ、一緒に服屋さん巡って、詩帆ちゃんに似合う服をプレゼントしようと思って。」

「雫ちゃんが服選んでくれるん?」

「うん。」

雫が頷くと詩帆は嬉しそうに目を輝かせた。

「わぁ!嬉しいなぁ。雫ちゃんがどんな服選んでくれるか楽しみやわ。」

提案を喜んでくれたことに雫も嬉しくなる。

食事を終えると、二人は早速ショッピングモール内の服屋さんを見て回ることにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る