第7話

雫と詩帆が再会して付き合いを始めてから、季節は冬が近づいてきた。

冬といえばクリスマス。

二人が付き合い始めて、初めてのイベントだ。

二人はなんとなく浮足立っていた。

『もうすぐ12月になるね。』

『そうやね。12月といえば、クリスマス!今から楽しみやわ!』

『クリスマス、初めてのイベントやもんね。私も楽しみ!』

『クリスマスはうちがそっちに遊びに行くね。』

雫に当たり前のように言われ、詩帆は慌てた。

『え?なんで?私がそっちに行ってもええのに…。』

『ええよええよ!そっちから東京来るより、東京からそっち行く方が安いやろ!バイト代はこっちの方が高いしな!詩帆ちゃんに会えるなら、東京からの旅費なんて安いもんやわ!』

メッセージを見ながら、時々雫は男前なところがあるなと詩帆は嬉しくなって笑みをこぼした。

『ありがとう。その代わり、雫ちゃんの誕生日の時くらいそっちに遊びに行かせてな!しっかり貯金しとくから!まだ先の話やけど。』

『先の話でも楽しみにしとるよ!詩帆ちゃんに会えるならうちはなんだって嬉しいわ。』

『私だって、雫ちゃんに会えるならなんだって嬉しいよ!クリスマスも会えるの楽しみ!ねえねえ、クリスマスどこ行きたい?』

『んー…ベタに言うと、イルミネーションとかかなぁ?』

『それやったら、ちょうど駅前のフラワーガーデンでイルミネーションしてるよ。それ見に行く?』

『行こ行こ!あとは、クリスマスっぽいディナーとか一緒に食べたいなぁ。』

『それやったらいいお店探しとくから任せて!』

『じゃあ詩帆ちゃんにお任せしようかな!楽しみにしてるわ!』

『うん!楽しみにしてて!あとはクリスマスしたいことある?』

『あとは…やっぱりクリスマスやし、プレゼント交換したいなぁ。』

『私もそれしたいと思っとった!やっぱクリスマスといえばプレゼント交換やんね!』

詩帆のそのメッセージを見て、同じ気持ちだと知り雫は嬉しくなった。

『そうやんね!お互いにプレゼント用意して交換しよう!』

『そうしよ!わ~!何がいいかなぁ。』

『あ、クリスマスまでは内緒にとっといてや!楽しみにしときたいし。』

『もちろん!あ~、今から雫ちゃんへのプレゼント考えるのが楽しみやわ!』

『うちも!』

それぞれが何をプレゼントしようかと楽しみに考えながらその夜は更けていった。

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