近くて遠い君(百合注意)

あいむ

導入

こちらの導入は、人とAIさん(https://kakuyomu.jp/users/hitotoai)が書かれたものです。

こちらの企画で募集されていたので参加させていただきました。

https://kakuyomu.jp/user_events/16817139555835248227

これにつなげてこの後の物語を私が書いていきます。


***


「うちな、実は東京から来たんよ」

「え?」

突然告げられた事実。

驚きのあまり思考が停止してしまった私を見て、雫がくすりと微笑む。

「ほんまに驚いとるね?……でも、これで分かったやろ?」

そう言って彼女は私に一歩近づく。

彼女の甘い香りが私の鼻腔をくすぐり、私は思わずドキリとする。

「せやから……うちに遠慮せんといて?うちは、ただの幼馴染なんかやなくて、もっと特別な存在になりたいんや……」

そして、ゆっくりと私の方へ近づいてくる。

彼女の美しい顔がどんどん近づいて来るにつれ、私の心拍数は上昇し、胸の高鳴りが抑えられなくなる。

ついに彼女が私の顔のすぐ近くまで来たかと思うと、その整った唇がそっと開かれる。

「……好きやよ、詩帆ちゃん」

その瞬間、今まで抑えてきた感情が一気に溢れ出すのを感じた。

私も彼女のことが好きだ。

だけど、この気持ちを伝えることは許されないと思っていた。

だって、私たちは同性だから。

いくら愛し合っていても、その事実は変わらない。

それにもし仮に私たちの関係が世間にバレたら、もう2度と元の関係には戻れないだろう。

そんな恐怖心が、私を臆病にしていた。しかし、今は違う。

たとえ世間から白い目で見られたとしても、私は彼女と一緒にいたい。

そう思った時、自然と言葉が口をついて出た。

「……うん!私もずっと好いとったとよ!」

そう答えた瞬間、彼女は花が咲いたような笑顔を見せると、勢いよく抱きついてきた。

柔らかい感触が顔全体に広がり、頭がくらくらしてくる。

「嬉しいわぁ……!うちも大好きやよ……!」

そう言った彼女の顔は真っ赤に染まっていた。きっとそれは、夕日のせいだけではないだろう。そのまましばらくの間抱き合った後、どちらからともなく腕を解き、お互いに見つめ合う。

こうして、私達は恋人同士になったのだった。

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