第2話

あれからファイターの説明を聞くと

ファイターってのは要するに闇の格闘家だという事


ってのも企業がスポンサーとして付いて格闘技で戦うのがファイターの役目だという事


そしてこの戦いってのは相手の意識を失わせれば勝利だってこと


そんなファイター達が戦うルール無用の戦いの名前は闘技会だということ


そしてこの闘技会、闇の格闘技と言うだけあって反則というものが無い


一応武器の不使用というルールはあるが…


それも身体検査をすり抜けてしまえば武器を使っても別にOKというガバガバ仕様


しかも相手を殺してもお咎め無しどころか勝利になるから積極的に殺害を狙う奴も居るらしい


…え?これそういう漫画の世界だったの?

マジで?


しかも殺害しても罪に問われないとか…急にファンタジー要素出てきたじゃん…


こんな形のファンタジーとは関わり合いになりたくなかったよ…


所でそんなヤバい世界の奴を俺は半殺しにしたの?

そして俺はそんなヤバい世界にスカウトされたの?


「あの、この話を聞いた上で断る事って…」

「…まぁ、断るだけなら出来ない事もないですよ」


良かった…断われ…ん?

断る"だけ"なら?


「あの、その場合命の保証って…」

「出来ませんがね」


駄目じゃねーか!!!


クソッ!結局この会社のファイターになるしか道はないじゃねーか!勘弁してくれ!


「これらを聞いた上で…我が社のファイターになってくれますか?」

「なります…」


ほぼ強制じゃん…

ふざけんなよ…


ーーー


「あ、あのっ!加賀さん…ですよね?」

「え?ああ、はい、どうしたんですか?」


「あ、あのっ!今日から加賀さんのバディになりました、大空雛です!よろしくおねがいします!」

「…バディってなに?」


「バディは闘技会のファイターのサポートです!色々やります!よろしくおねがいします!」

「あぁ…はい」


勢いが凄いなぁ…


「ねぇ、大空さん、サポートしてくれるらしいんだけど…模擬戦とかってできたりする?」

「え?あ〜、出来ない事も無いですね」


出来ない事も無い?

なんだその煮えきらない言い方?


「出来ない事も無いってどういう…」

「…ここだけの話、模擬戦の評価でランク付けされてて、ランクが低いとクビになるらしいんですよ」


「って事は…」

「はい、模擬戦とは名ばかりの小規模な闘技会みたいな物ですね…」


うーん、厳しい!

せめて模擬戦くらいは普通にやらせて欲しい!


「とりあえず誰かと戦おう、それで無理ならそもそも俺にファイターは向いてなかったって事で…」


まぁクビになったら俺殺されるから

向いてない(死)だからな、厳しい


「分かりました、それじゃあ明日戦えるように手配して置きますね!それじゃあ!」

「…え?明日?早くない?」


って、もう居ねぇ!

二日目にして負けたらクビとか厳しくないか!?


…とりあえず技の練習だけしておくか


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