転生先、まさかの格闘技漫画だった

龍百

第1話

35歳俺、事故死して転生する

…でも転生しても特に特殊な事は無かったな


赤ん坊から意識があるのは中々新鮮だったし

転生してからは基本的に順風満帆だった

お陰で彼女も出来た


趣味だった格闘技も前世の空手じゃなくて柔道を習ってるし、前世とは全く違う…


いや、一つだけ前世と同じ事をしてるな、空手の形を毎日一通りやってるわ


にしてもこれだけはやっちゃうんだよなぁ…

やっぱり子供の頃からこれだけは続けて来たから完全に体に染み付いてるのかね


っと、まぁ、とにかく俺が言いたいのは俺は飽くまで普通の世界に転生しただけで特にファンタジーな出来事は起きて居ないと言う事だ


そんな中で俺は一つだけ、今、ファンタジーを味わっている、それは…


俺の彼女が寝取られてる!


なんだよアイツ!

なにそこらへんのチンピラとラブホ行ってんの!?


はぁ…マジでキレそう

落ち着け、落ち着くんだ、冷静になれ…


とにかくアイツを問い詰める為にも一旦落ち着け

とりあえずアイツらがラブホから出てくる所を写真に撮ろう


ーーー


ガチャ…


「あーっ!兄ちゃん!おかえ…り?」

「どうしたんだ春輝?」


「いやその血、どうしたの!?怪我でもした!?」

「あー、これは…返り血、だな」


落ち着ききれなくて結局路地裏でチンピラをボコボコにしてきた


やたらとイキってたけど簡単に死にかけたクソ雑魚だ、正直弱すぎて話にならない


「返り血!?喧嘩でもしてきたの?兄ちゃんが喧嘩とは珍しい、彼女関係?」

「大正解、彼女が浮気してたから浮気相手を死にかけるまで殴った」


「うへぇ…それは、可哀想だね…」

「マジで最悪だよ、大学生になって今から就職活動って所なのにチンピラを半殺しにしたとか…」


「…まぁ、兄ちゃん優秀だし何とかなるって!」

「そうだよなぁ…何とかするしか無いよなぁ…」


最悪だ…

あのチンピラのせいで人生めちゃくちゃだよ…


ーーー


いやぁ…就職試験で俺だけ別室に通されたんだけど

これ…大丈夫か?


「やぁ、君がチンピラを半殺しにしたという加賀くんかい?」

「あ〜、はい、俺はその加賀です…」


うわ〜、やっぱりそれ聞かれるかぁ…

一応殴りかかってきたのは相手だから過剰防衛で済んだけど…これじゃこの会社は無理かなぁ…


「そうか…では君には我が社のファイターになって貰いたい」

「…ファイター?」


ファイターとは???


「ん?まさか…本当に知らないのか?」

「はい…ファイターなんて聞いたことも無いんですけど…」


「なっ…!素晴らしい!素晴らしい逸材だ!」

「へ?」


「ぜひ我が社のファイターになって欲しい!」

「いやだからファイターって何ですか!?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る