6-5 不良品
正規の客とは。
「うちの組ではクスリを会員制で売るんです。分量をわきまえない馬鹿が街中で暴れたらこっちまで迷惑しますから、ヤバそうな客は弾いてるんです……」
顧客のリストを残しているのですか。
「そんな危険な真似はしません。個人で記憶してるだけです……」
つまり販売員が特定の客を担当していると。
「そうです……」
近頃、新規の客は訪れましたか。
「最近は……組からの紹介は……ありません」
紹介されていない客が来たことは。
「それは……」
いるのですね。
「不良品を、回収したいという人がいて……」
不良品とは。
「かさ増しのためのフェイクです。本当なら、仕入れる時に確認しなきゃいけないんですが、たまにチェックをすり抜けたものがこっちまで流れてくるんです……」
すぐに処分しなかったのですか。
「後でまとめてするつもりでしたよ。今回は量が多かったので、自分が捌く分をチェックするだけで時間的に精一杯でした……」
その回収を申し出た人が来たのですか。
「仕入先の関係者を名乗っていました。今回の失態を内密にしたいので、上にも報告せず普通の売上として扱って欲しいと……」
金を握らされたと。
「はい、多めに貰いました……それだけです……」
ハヌマン、聞きましたか。
残りはお前が調べておきなさい。
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