5-7 青

 その後、デルタの身柄はシスターとプリーストによって引き取られた。

 ブラックアウトやスキュラとは異なり、デルタは暴走した被検体を処分するための安全装置として開発されたのだという。

 彼の背後にいた組織については結局よくわからなかったが、リンとウォルフは「代償と手間賃を支払わせる」と息巻いて今も長期出張中だ。

 何故かヒズミも同行しているらしい。

 シキは相変わらず神出鬼没だが、仕事で困ったときにはよく助けてくれる。

 もしかしたら、今も自分のことをどこかから見ているのかもしれない。


 波止場の上にちょこんと建てられた灯台の上に座って、セツナは海を眺めていた。

 海はなぜ青いのか。

 理由をシキから聞いたことがあるが、忘れてしまった。

 空が青いのにも、理由があるのだとか。

 でもセツナは深く考えなかった。

 海が穏やかで、空が晴れていて、気持ちの良い青がどこまでも続く。

 セツナはそれで十分だと思った。


 デルタ編 終わり

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