3-8 サイレン

 遠くに聞こえる消防車のサイレンを背に、一人の青年が道端で塀に寄りかかっている。

「プリースト……」

 ウォルフは火傷によって機能を失った左目を手で覆いながら、残った右目で虚空を睨んだ。

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