第3話 紺色は好きですか?後編
不意に昔の事を思い出す。天才の双子の兄がハーバード大学に受かった時のエピソードである。
わたしは「ハーバード大学って遠いの?」と普通のコミュニケーションをしたつもりが。
兄は「出来損ないのお前には関係な場所だ」と罵ったのであった。
言葉による虐待であった。当然、両親も兄の味方である。天才と凡人に対する扱いの違いを厳しく感じたのであった。
―――……。
「一茶ちゃん、また発作?」
「ああ、大丈夫だ」
由美が心配そうに声をかけてくる。うん?今は由美の姿はスクール水着である。顔が近づくと胸に視線が取られる。
「バカ!」
しまった、視線の行先がバレた。由美は不機嫌そうにわたしから離れる。
「一茶さん、ここはトランプゲームでもして落ち着きましょう」
しおりが部屋にあったトランプを取り出す。そう、これが今のわたしだ。言葉による虐待の日々ではない。わたしはしおりに勧められるまま、トランプをすることになった。
それから
「ババ抜きをしようよ」
由美のリクエストに応じてトランプはババ抜きに決まった。
うん?しおりがなにか頬を赤らめている。
「負けた罰ゲームとして服を一枚脱ぐのはどうかな?」
しおりが大胆な提案をしてくる。お前達スクール水着一枚だろに。わたしはそこの所を厳しく突込みを入れると。
「制服があるからそれを着た状態からスタートよ」
……。
最後はスクール水着一枚になるのか。
「おし、そのルールでババ抜きをしよう」
話が決まると二人はスクール水着の上に制服を着始める。その光景を見て、これはこれで刺激的であるな。
「一茶さん、わたしを見て目が泳いでいます」
しおりは恥ずかしそうにしている。
「ゴメン……」
「もう、一茶さんは素直なんだから」
そんな会話をしていると。女子二人は制服を着終わる。わたしは紙一重に負けてやるかと余裕を持っていた。しかし、わたしの予想は外れ、一人だけ、ぼろ負けである。
「ぱ、パンツだけは許して」
「仕方がないこれでババ抜きは終わりにしよう」
由美がトランプを片付け始める。ふ~何とか助かった。しかし、謎だ、何故ここまで負けるのだ?
「由美、ババ抜きの攻略法があるのか?」
「アホなだけだよ、一茶ちゃんはババを引くと鼻をかく。そして、ババだけが一枚上に出ているのよ」
あーアホ扱いされても文句は言えないな。
うん?窓から外を見ると暗くなっている。
この辺で、パーティーは終わりにしよう。二人は頷き別室に移動してスクール水着を脱ぐ。
通称、しおりと由美のスクール水着パーティーが終わったのであった。
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