エピソードS⑰

『クリスマスが今年もやってくる〜♬』


高校も間もなく冬休みに入り街中はクリスマス一色であった


「おはよ、今年もお互いシングルベルか?」


いつもの軽いノリで裕貴が挨拶をしてくる。


それに対して


「あぁ、お互いな。部活もないし、、、そういえば誠は彼女ができたらしいぞ!」


「まじか?!ならクリスマスにブラックサンタで襲撃か年明けの部活で晒し上げだな!」


などとお互いに利のない会話をしながら登校していった。


「そういや、始たちはたまに部室でダラダラしてるから見かけるけど涼華とすみれは見ないな。涼華に至っては廊下で見かけた瞬間逃げてったし」


俺がぼやく。


「またなんかやらかしたか?同級生がだめなら後輩に手を出すとは…」


と裕貴が腕組みをしながら答えた。


「んなわけ、奴らはともかく二人とも可愛い後輩だ。逆に守ってやらな」


俺は裕貴の頭をはたいて言った。


「はいはい可愛いね。まぁこの時期だから体調でも崩してるんじゃね?それか女の子的なアレか。まぁ話せる機会あったら聞いとくよ」


「そういうデリカシーは一切ないのにモテるのが解せん。」


などと漫才をかましながら教室に入っていった。


終業式の日

「あー、短い冬休みかぁ、どうせ来るんだろ?今年もうちは実家帰らないし。」


冬休みの短さの割に長い校長の話を聞きながら裕貴は聞いてきた。


「ん?あぁ、うちは親戚周りがあるけどそれ以外は暇だしな。」


ウトウトしていた俺は応える。


「了解!いい新作もでたし、母さんも喜ぶだろ、今年も目一杯作るって言ってたし俺だけだと消化しきれない。」


今年の冬休みの予定も裕貴とだけで埋まりそうだな


などと考えていると話が終わり。

皆で体育館から出ていく。


簡単なLHRが終わり。いざ帰ろうとしていると。


「2年○組氷街時雨、職員室の織田まで来る事」


と校内放送が流れた。


周りは『またか?、次は何をした?』という目で見ていたが無視した。


すると裕貴が近づいてきて。


「おー。センセ呼び出しか?」


「おう、最近は何もしてないけどなぁ」


「まさか、織田センからの逆プロポ…」


途中まで、言い終わるとハッとした表情になり


「まぁ、行って来い。行けば、わかるだろ」


そう言いながら背中を叩いてきた。


そして叩きながら


「氷街…すまん。」


と聞こえるか聞こえないかの声で俺にそう告げた。 


※作者より


次回エピソードS最終回です。

今回で終わらせる予定だったのに無理でした。

最終回のあと2つ話を入れて次の話を始め…たい

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