エピソードS⑦

「いやー、豊作だな!時雨が転けた成果でたな(笑)」


ス○バのコーヒーを飲みながら裕貴が言う。


「転けたせいで色々あったけどな、しかもメンツが濃い」


微妙な顔をしながら俺は答える。


今さら、新入部員勧誘イベントでの転けた俺に対する対価としてス○バにいた。


「そもそもテイクアウトで良かったんじゃないのか?カップル多すぎてブラックコーヒーが甘く感じる」


周りにはカップル、カップル、カップル…さすがに胸焼けを覚える。


「まぁ、いいんじゃね?ゆっくり話したかったし、で今回の新入部員の感想は?」


二人で『濃い』や『男は二人で新○組だな』など新入部員についてあーだこーだ話をして解散した。



「「恵まれない海外の子供に善意の募金お願いしまーす!」」


この日は募金活動をしていた。


主要駅前での活動…とは言え子供は俺らだけ周りは大人ばかりだった。


「全く、母さんも俺は拒否するからって時雨に押し付けるとは…」


ダルそうな顔で募金箱を抱えた裕貴がぼやく


「まぁ、新入部員たちもいい経験だろ?ごみ拾いよりはマシだ」


裕貴の脇腹を小突いて俺は答える。


裕貴の母さんは海外の子供達を支援する団体に所属している。


その伝で今回部活の一貫として募金活動しているのだ。


「「お願いしまーす。」」


中学生組は初めての経験ということで楽しそうでたあった。


「お疲れ様でしたー、好きなの飲んでね」


活動終わりにおばさんが皆にジュースを差し入れしてくれたので近くの公園に行きみんなで飲むことにした。


「どうだった?初めての募金は?」


俺は各々に聞いてみた


(誠)「なんか、入れるのと貰うのでは全然感覚が違うって感じですね」


(始)「足がいたかったですけどいい経験になりました。」


(すみれ)「緊張しましたけど入れてくれたり『頑張って』って応援してくれる人がいて嬉しかったです。」


(涼華)「いつもは募金する立場でしたけど、実際に活動してみて、いろんな見識が増えたり団体の方からもお話聞けてよかったです。」


と、色々話を聞けた。


(裕貴)「部長に無理矢理連れてこられて、この後はゲーセンで豪遊したいとおもいます。」


わざとらしく裕貴が答えていたが全力で無視をした。


「とりあえず、現地解散ってことで後は遊びに行くなり帰るなり自由で」


そう言うと俺は裕貴に引っ張られながらゲーセンに向かうことにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る