エピソードS
エピソードS①
「氷街…あんたのせいで春ちゃんは…」
世の中のパソコンが年が変わる頃異常をきたすと言う割に自分の生活には何ら変化も起こらず退屈していた頃
俺は見ず知らずの女子数名に詰め寄られていた。
うちの高校は元々中高一貫校で今年から男女共学になる、と言うことで内部からの繰り上がり含めて500人近くの新入生が入ってきていた。
「は?どういうことなんだ?水島さんとは接点ほとんどないよ?」
水島春…その女子は、所謂外部生で黒髪ショートカットで活発な感じの女の子であった。
「あんたが何を言ったか知らないけど、一昨日から内部の男子が春ちゃんはどんな人?とか聞いてきたり、直接見に来て昨日急に泣き出したのよ!!」
俺は今まで受けたことのない衝撃を受けた。
少し前に『新しく入った新入生で誰が気になるか』を内部の友達とはなしをしていた時に水島さんの名前を出していたからだ
俺は良くも悪くも構内で有名人であった。
中学の時に高校の部活の部長になってみたり。
120人近くの内部生の陰キャ、陽キャ、運動系グループ問わずどんな輪のなかにでもいて各グループの接点になっていたり。
後輩にも名前が届く程には名が知られていた。
恐らくその所以で『あの氷街の気になる女の子とは?』となって男子高校生、しかも元男子校の格好の興味の的になっていたのだ
「ごめん、俺が直接謝罪する訳にもいかないから、『もう、こちらから関わらないようにするから、あいつらにも言っとくし2.3日したら落ち着くと思う。』って伝えて欲しい、俺からは興味本位で見にいくなんて事無いように皆に伝えておくから」
それだけ告げて俺は教室に帰った。
10代の固有の気になる=好き
と言うなれば俺は告白する事もなく失恋をして
自覚するなかで初めて喧嘩などではなく人の心を傷つけた…ということである。
喧嘩などで怪我したり、怪我させたりはあったが
気になると言うだけで傷つけるなど思ってもなかった。
「こんな事するつもり無かったんだけどなぁ」
俺は自分の机に頭をぶつけながらぼやいた
「まぁ…有名税って奴だろ?お前は色々やり過ぎてるからな」
と笑いながら中学からの友人…いや、悪友の裕貴が俺の方を叩いた
コイツとは中学から仲良くグループ関係なくうろうろする自分の近くにいつも居る相棒みたいな存在だ
「まさか、こんな事になるとは思わないだろ?普通!あいつらに見に行かないように言わないとだな…」
「だな、まぁうちの高校共学初の失恋者がお前とはな、まだ4月だぞ?、ほら飯食って機嫌直せ」
と大笑いしながら裕貴は弁当を取り出した。
「他人事だから言いとおもいやがって、まぁ食うけど」
俺はとりあえず弁当を掻き込んで、原因となった
奴らに話を行くことにした。
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