エピソードM⑰

帰り道...


二人は祭りの時と同じ様に、けどしっかりとお互いの体温を確かめるように寒空の下、人気の無くなった道を歩いていた


「キスってこんなに恥ずかしいもんだっけ?」


思い出しながら照れて俺は呟いた


「私も…いきなりだったし恥ずかしかったですよ、でも初めてじゃないんですけどね」


「だよね...ってえっ?」


「実は…氷街さんが風邪で寝てるときに寝顔みてたらつい...」


とモジモジしながら舞は言った


「まじか...」


顔が赤くなるのが、実感できた


「恥ずかしくなって、伏せってたら寝ちゃって ました」


「だからあの時慌ててたんだね、起きてたら良かったなー」


俺がキスしようとした事はバレて無さそうなので少し安心した


「あっ舞、 俺からもお願いあるんですけど... いい?」


「はい?いいですよ」


「少しずつでいいから敬語はやめてね、 その... もう、恋人になったし」


と、照れ隠しから舞の顔を見ずに告げた


少しの間の後


「は...うん、呼び捨てとかは難しいかもしれないけどがんばる...です」


と、うつむきながらでも、俺の手をしっかりと握り返しながら答えた


「憐に、なんて言われるかなぁ~」


と空に白い息を吹き掛けながら呟いた俺を見て


「憐ちゃんの事だから... やっぱり~とか私のおかげだねとかですかね?」


と苦笑いしながら舞は答えた


「根掘り葉掘り聞いてくるだろうな、 舞? 報告は一緒に...な?」


と俺も苦笑いをしていた


「はいっ私の彼氏ってちゃんと憐ちゃんに報告します」


俺は舞の笑顔とその言葉に赤面して


「うっ、 俺照れまくって逃げだすかも」


とそっぽを向いた


「逃がしませんよ、 だから私もずっと離さないで下さいね」


と俺の腕に抱きついてきた


「恥ずかしいよ、でも嬉しい」


と俺も笑顔を舞に返した


俺達は舞の家につくまで寄り添いながら歩いて、ときよりキスを交わしながら帰宅した

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