エピソードM⑬
待ち合わせは少し遅く21時
二人はもう来ていて俺が待たせる事になってい
「遅い!! 帰ろうかと舞と話してたよ」
と、開口一番燐が言った
「わりぃわりぃ ちょっと野暮用すませてた、 舞も待たせてごめんな」
と駆け足で二人の所に向かった
「いえ、集合時間は丁度ですし私達は昼から遊んでるんで大丈夫ですよ」
と舞は笑顔で答えた
「なんか、 私と舞で扱い違わない?」
と隣が俺達を眺めながら言った
舞は顔を赤らめながら笑ってごまかしていた
「とりあえず行こう、 腹へったろ?」
と、俺は聞こえないふりをしてレストランに向かった。
レストランとは言え実際は俺がバイトをしている職場
野暮用と言うのも事前にオーナーに話をして上手いこと料理等を頼んでいた。
「氷街くんが女の子、しかも二人も連れてくるとはねぇ、こりゃ良いもの出さないとだな」
と全力で、ニヤニヤされながら快く受けてくれた。
レストランにて食事をしながら舞たちの学校の事や憐の、惚気話に耳を傾けながら食事は終わり
オーナーのお陰で予想よりも遥かに安く、豪華にしてもらった。
割り勘でって事で二次会は隣のよく行くショットバーに向かった
時計の針が12時を越えた頃、憐が唐突に
「舞、誕生日おめでとう、はいプレゼント」
と、言い出した
舞はあっけにとられて
「えっ?あぁそっか~すっかり忘れてたよありがとう憐ちゃん」
と、驚いていた
俺も驚いて
「おい、聞いてないぞ?だからあのときの買い物だったのか」
と憐に聞いた
「知ってると思って買い物行ったのに何も買わないから用意してるもんかと…え?舞、話してないの?」
「忘れてたよ、あはは」
と、相変わらずの天然っぷりを発揮しながら舞は答えた
「あんたらねぇ...うん。舞、氷街に、ちゃんと高いものでもおねだりしなよ♪」
と、呆れながら憐は言いはなった
その後も色々な話をして憐は彼氏の迎え舞は家が近い俺が送るという形で解散した
帰りながら俺は
「誕生日ってわかってるならなんか用意したんだけどなあ」
と困り気味にいった、 すると
「いいえ、大丈夫ですよ。 それよりもみんなにお祝いしてもらっただけで十分うれしいですし」
と、答えてくれた
そろそろ舞の家にさしかかろうとしたときに俺は
「やっぱり悪いから何かあげるよ、 何がいいか考えといてね」
といった
「いいんですか? じゃあ何か高くないものを考えときますね」
と笑いながら舞は言った
「そりゃ助かるな、 決まったら一緒に買いに行こう」
「はいっわかりました」
と次の約束が決まったところで無の家に到着した
「それじゃ、 決まったら教えてね、 多少のもんならOKだから」
と家路につこうとしたときに急に
「氷街さん!じゃあ一つだけおねだりしてもいいですか?」
と舞が言ってきた
「ん?なにか良いものでも思いつい…」
言い終わる前に俺の胸に舞が飛び込んできた
「ちょっとどうした?」
俺は酒のせいもあり、動悸がするの感じた。
「お願いします、 少しだけこのままにしてくださ
い」
舞はそれだけ答えた
「・・・・わかったよ、こんなことでいいの?」
と冬の足音が聞こえそうな寒空の下で俺と舞はしばらく抱き合っていた
「ありがとうございました、 ちょっと酔っててくっつきたくなっちゃいました(笑)」
と頭を下げて舞は家の中に入って行った。
それから数日
バイトが忙しくなり、誕生日の夜の抱きつかれたことが気まずくもありこちらから連絡できなかった。
そして、舞からも連絡が来ることがなかった。
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