エピソードM③

「幸せなやつ」


俺は窓の外を見ながら呟いた


「幸せっていいじゃん。 ありがと」


呆れ返って言葉に困ったときに注文した料理が運ばれてきた。


半強制的に憐の惚気話やその周りの事を聞かされて軽くうんざりし始めた頃。


「遅いなぁ」


と憐が携帯をみながら呟いた。


「ん?彼氏の迎えか?」


と、やっと解放されると思いながら聞くと


「ふふん、違うよ♪気にしないで食べてなって」


と不敵な笑みを浮かべながら憐はメールを打っていた。


「やな予感しかしないんだが、帰っていいか?」


「だめっ! 帰るなら私の分まで払って帰ってね♪」


と、下らない問答すること数分。


「憐ちゃんお待たせ♪ってこれが新しい彼氏さん


?」


と早足で俺達の席に憐とは対象的にショートヘアでふんわりした感じのの女の子がやって来た。


「ちがうよ、こいつは氷街、 友達だよ」


と、笑いながら憐は答えた


「おい、この初対面から俺をこれ扱いしてきたアホは誰だ」


と、ハンバーグにフォークを無意味にさしながら俺は問い詰めた。


「あっごめんなさい、私は舞といいます、 憐ちゃんとは高校からの友達です」


と、あわてて舞は答えた


「よしっ、 自己紹介も完了だね♪」


と、笑顔で憐は言った。


「おい、 待て俺は何も言ってない、 それに連れが来るのも聞い…」


すると、隣が話を遮るように


「言ってないもん、まぁいいじゃん、気にすんな」


と、いつのまにやら舞を隣に座らせていた


「とりあえず憐、 何が目的か答えろ」


「憐ちゃん、私も男の人がいるなんて聞いてないよ?」


と、舞も首をかしげながら尋ねた


「えっ?なんの事かな?」


と隣はごまかそうとしたが


「顔が悪巧みしてる三流悪党の顔になってるぞ」


と俺がすかさずいうと


「えっまじ?」


と反応したので、 図星だったらしい


「フッフッフ…バレてしまっまらしょうがない、 氷街、 今度いつ暇?」


と、いきなり聞かれたので反射で


「土曜なら学校もバイトもないし...っておい、 何を考え て...」


とおれが言い終わる前に


「よし、 その日祭りがあるから昼の1時駅前集合ね、 舞もだからね!」


と、予定を勝手に決められた。


俺と舞が文句を言おうとしたが、


「さて、お腹も膨れたし彼氏に帰って電話したいから帰ろうっと」


と、一方的にその場をお開きにされた。


その後も抗議のメールを打ったが


「気にするな♪楽しみにしとけ」


とのメールしか来なかった。

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