エピソードM

エピソードM①

きっかけは単純だった


大学の友人との酒の席にきていた。


俺はもともと多人数で飲むのが苦手で。


その時は飲み代が奢りというのと、週末であったためそのあとに一人で飲もうと決めていたか ら参加した。


二次会も終わりにさしかかった頃。


「氷街 (ひまち) 君は彼女いないの?」


と唐突に隣にいた、黒髪でロングヘアが似合う女性『憐』が聞いてきた。


「さぁ?どうだろ」


少しうざったく感じたが酒の席なのでおどけた感じで答えた。


「さぁ?ってどうせいないんでしょ?」


「いないってより作ってない感じかな、 作ろうと思えばす ぐに出来るだろうし」


すると憐は


「ふぅん?じゃどっちが先に恋人できるか勝負しよっか?」


「お前馬鹿か? 初対面の人間に何言ってんだ? それに勝ち負けなんてわかんねえだろ、 二度と会うかもわかんねぇのに」


「バカって酷くない?じゃあ…さ!連絡先交換して情報を逐一報告したらいいじゃん」


とりあえず面倒だったので


「はぁ?・・・何賭けるんだ?高額は却下だぞ」


と負ける気満々で話に乗ってやることにした。


「じゃあ…さ、勝ったほうが負けたほうにご飯おごるの!!」


ん?

勝った方が奢る?


「意味わかんね、勝った方が?なんでそうなる? やっぱりお前馬鹿だろ」


「さっきからバカバカって酷いな、 なんでって幸せのおすそ分け・・・かな?」


「はいはいわかったよ」


そんなきっかけでおれは憐と賭けを始めたのだが…


決着はあっさり付いた


「氷街!! 彼氏できた^^」


こんなメールがアドレスを交換して一週間で届いた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る