第15話 勝手に彼女? 的な感じになっております。

 大きな家に入ると、顔に傷があり大柄の男性が椅子に座っていた。なんともまあ明らかに山賊感が出てますねえ。

 それに、なんか男臭いし、みなさん部活でもされたんですか? 匂い消しのスプレーを実家から持ってくればよかった。はぁ〜


 私は子分に連れられて親分の前へと行った。


「そいつか? 今日の獲物は?」


 人のことを獲物って言うくらいだからロクな生き方をしないなこの人。天罰が下るわよ。親分は私の周りをジロジロと見て来たんだけど、一番耐えられないのが に、お、い! 

 どうしてみんな同じ匂いがするのよ。鼻が曲がらないのかな?


「ほう、まあまあじゃねえか」


 ねえ、今すぐに天誅くらわせてもいいですかね? イエス? or イエス?


「どこで見つけて来た?」

「森の中で、特に何かを持っているわけでもありませんでした」

「森? 村でも追い出されたんだろうな。可哀想に......いや、むしろ今日は宴がある。ラッキーだったな」


 宴? あらそんな大そうなことをやるような方々とは思えませんけどね。ってか、ここにいる山賊どもがいやらしいめでこちらを見てくるんですけど。察してはいましたが、そうですか。 

 それならこちらにも考えがありますよ。


 私が殺気を出そうとして時に、子分が親分と私の前に立ちました。


「親分、こんな代物、どこにでもいるじゃないですか?」


 こやつ、何を言いやがるんだ。


「なので、その俺にこの子を宴まで預けてもらえませんか?」

「預けるだと?」


 親分は自分のものを取られたかのように嫌な顔をしましたけど、まずあなたのモノじゃありませんからね。


「はい、宴までにはもっと価値のある女に仕立てあげます」


 子分の分際でこの私を綺麗にするとでもいうの? どの口が言ってるんだか。あっでも匂いは好き。


「俺は反対ですぜ」


 匂う兄貴が抵抗して来たぁぁぁ〜。


「こいつ、宴の前に自分で楽しもうとしてるとしか思えません」

「兄貴じゃないんだから、そんなことはしませんよ」

「おっおい! 俺がいつそんなことしたと!」


 兄貴焦ってるぅ。確信犯やな、これ。親分は少しだけ悩んで。


「よし良いだろう、だが俺のもんに傷を付けたら分かっているだろうな」

「ありがとうございます。親分のものに手を出そうだなんて、そんなことをするやつは一人しか知りませんよ」


 子分は兄貴を見てニヤリと笑った。兄貴としてはバレたくないことをバラされたわけだから、そりゃあ良い顔なんて出来ないよね。子分の教育はしっかりしないと。


 むしろもっと言ってやれって思ったけど。

 とにかく今、私の今の現状を簡単に説明すると、年上の彼氏(親分)が出来たってことかな。

 恋愛ってどこでどうなるか分からないものね。いえーい


(肌に触れた瞬間、命はないけどね)

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