第13話 森での熟睡は禁物です。

 さて、どうしたものか。単純に結界(小)を張れば問題なく優雅な睡眠を楽しめるんだけど。

 範囲が半径5キロはやりすぎだよね〜。

 さてどうしてモノか。灯りは先ほど倒したホタルっぽいモンスターの羽があって光を灯しているからいいけど。


 火もないしどうしよう。こんなことなら小学校の時のキャンプを真面目に参加すればよかったな〜。

 この木が抜ければいいのに......待って。

 例えばの話なんだけど、今の私がこの木をパンチしたとしても。


 ペチ。痛いってなるだけだよね。

 でもステータス能力が使えるのは相手から殺気を感じた時。てなると、私が殺気を放ったとしたらどうなっちゃうんだろう?


 私は木をめっちゃ睨んだ。すると力がみるみる湧いてきて戦闘状態のステータスになったよ!


「イケる、これはイケるよ」


 私はさっきと同じくらいの力で木を私が殴ると....


【ズゴーン バキバキバキ】


 と強烈な音がして鳥たちが夜空に逃げていった。

 やった、出来た。これで壁が作れる! 作っちゃおう!

 私は木をそのまま引っこ抜き隙間がないように木を四方八方に植え直した。これでモンスターが襲って来てもある程度は大丈夫。

(流石に木を突破される前に気づくでしょう)


 それに今回の能力発動で木が裂けるチーズのようにペロって出来たから、オリジナルのベッドなんて作っちゃったり。

 地面に寝るなんて考えたくもなかったから。ラッキー。


 異世界に来てまだそんなに経ってないけど、これからどんな楽しいことが起きるんだろう...zzz。


 私は自分の身が守れたことに安心してしまったのか、深い眠りについてしまった。

 そして、私が意識を取り戻すと私は目元と隠され、手と足は縛られて、馬車に乗っていた。


(えっ? これどういう状況?)


「兄貴、棚からぼた餅でっせ」

「ああ、親分の喜んだ顔が前に浮かぶぜ」


 兄貴? 親分? 縛られてる? あっそっか、捕まったんだ。な〜んだ。

 な〜んだじゃないよ! どうして? 私ちゃんと木の壁を作ったよね?


「あっあの?」

「兄貴、起きましたぜ」

「おう、そこの女良かったな、モンスターに食べれなくて。まあモンスターにはな」


 兄貴と呼ばれている人が大きな声で笑っている。ちょっと汗臭い。お風呂ちゃんと入ってるのかな?

 デリカシーにかける男は嫌いですよ。私16ですから‼︎ ぷんぷん

 にしても、このまま連れ去られるのもシャクだから、お話ししてみよっと。


「あの、どこに行くんですか?」

「どこって、俺らのアジトすよ」

「おい、余計なこというんじゃねえ。まあ逃げれないとは思うがな」


 めっちゃ下から見てるじゃん。ちょっとサーチしてみよ。

 目は隠されていても察知できればいいというこの優れたスキル。ドヤドヤ‼︎


 レベルが4+の方が子分でレベル7が親分って感じか。でも、子分の方、なんかレベル表記が変な感じだけど、まあいっか。勝てない相手じゃないと思うから。


 私はギルドの里に行くはずが、荷馬車に乗せられドナドナされているようです。

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