第12話 か弱さが欲しいと思いました。

 ファスト村を出て、今持ってもいるものを確認してみよう。

 まずは、イケメン(名前を言いたくない)がくれたバッグから、食料? なんかじゃがいもっぽいものが茹でられてるやつと、木の剣、あと地図かぁ〜。


 ......それだけ? えっ? ケチじゃない? コインだって100コインしかないし、こっちの100コインがどれだけの価値があるかなんて知らないけど、あのイケメンケチじゃない?


 それも今更の話だよね。このバッグはしっかりしてるし、たくさん入るから一番の戦利品はこれということにしよっと。バイバイイケメン。


 とまぁ地図を見る限り、村を何個か挟んでアルカイダスに向かうんだけど。ん〜ちょっと先が思いやられるな〜。

 どこかで馬車に乗せてもらえたら嬉しいんだけどな。

 女の子の一人旅。可愛い子には旅をさせろってね。

(墓穴を掘りました)


 とりあえず近くの村に向かうとしよう。次の村の名前は......【n;@p03.】

 ......うん、読めない。そっか字の読み書きも今後は大事になってくるのわけね。


【※スキル 自動変換のスキルを取得しました】


 困っているといつもこれだよ‼︎ でも移動スキルが来て欲しかったと思うのは贅沢なのかな。あはは。

 なになに。セカンド村かぁ〜。


 私はそこに向かおうと思ったけど、ちょっとだけ地図の上の方を見たらギルドの里って書いてある。

 何それ? 面白そうだからこっちに行ってみよっかな。

 距離的には少し離れちゃうけど、三日もあれば到着するでしょ‼︎ ......三日かぁ野宿確定のお知らせがカンカンと頭に響いて来ました。


(困ったことリスト)

 モンスターに襲われたらどうしよう。勝てるけど。

 不意を突かれたらどうしよう。勝てるけど。

 囲まれたらどうしよう。勝てるけど。


 ダメだ。お風呂が入れない以外のデメリットがない。少しのか弱さが必要だったのかもね。私は早くも強くあることを少しだけ嫌になった。


 ギルドの里に向かう途中、コウモリのモンスターや猪のモンスター、花のモンスターなどが、超音波、突進、睡眠など、あれよこれよと手をかえ、品を変え、やってくれるんだけど当たらないし、掛からないし手応えがなさすぎるんですが。コインを稼いで、身包みをを剥いでバッグに入れる。


 なんかね、モンスターには悪いんだけどゴミ拾いをしてるみたいな感じなの。

(本当に失礼)


 とにかく、そうやって少しずつ進んで行って的に休める場所を見つけたので、私は初めての野宿を迎えるのであった。

(サバイバル開始‼︎)

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