第8話 乙女はケーキに勝てません

 テーブルの上には色んなケーキやら、お菓子やら、すっごく匂いのいい紅茶とかもうアリスの世界にでも飛び込んだんじゃないかってくらい華やかに彩られてるんだけど。

 そしてめっちゃ美味しい。闘うことなんか辞めてケーキ屋さんをやればいいのに。


 私は目の前に置かれているデザートたちに心が奪われていて話しをちょっと覚えてないんだけど。あははは

 要するにこういういうことらしい。

 ゴブリン語は省略するね!


「オレタチハココヨリモズットキタニアル、レンダンノモリニスンデイタ」

「レンダンの森?」

「アア、オレラハヒッソリトクラシテイケレバヨカッタ。ダガアオイヨロイハ、オレラノイバショヲウバッタ」

「人間が領地を占領してきたんだ。もぐもぐ」

  「オレラハココニクルシカナカッタ。ダガマタニンゲンガクル。マモルタメニヤッタ」


 要するに先に手を出したのはその青い鎧って人なのね。どんな人かは知らないけど一発殴りたい。

 ......殴ったらどうなるか分からないけど。www


「ゴブリンさんたちはどうしたいの?」

「カゾクガヘッタケド、モドリタイコキョウニ」

「そうよね。もぐもぐ。そうなれるように頑張ってみる。もぐもぐ」

「タスカル」


 ゴブリンたちはとても嬉しそうだった。ちなみにだけど私はふざけているわけじゃないからね。

 出されたデザートを残してはいけないって思っているから食べているだけであって。

 そうそうこんなに美味しいケーキを食べれるなんてないもん。


 あ〜幸せ。もうお腹いっぱい何だけど。でも、そのレンダンの森を取り戻してあげるのにどれだけの時間がかかるだろう。

 ほら、村の人たちは敵討ちとかで攻めてきたら困るし。美味しいケーキも食べに来たいし。

(それが目的じゃないんだからね)


 どうにか争いが起きない方法がないかな? それこそこの一体をゴブリンさんに貸し出すとか。

 貸し出し? あっそれいいじゃん!


「ゴブリンさん、私に考えがあるの。任せてもらえる?」

「アア、シンヨウシテイル」


 良い妙案を思いついてしまった。ふふふ我ながら天才なのかもしてない。これもステータスが異常に高いという自信から来るものなんだろうね。

 とりあえず、ここに近づいて欲しくないんだよな〜。人間とゴブリンが鉢合わせたら喧嘩になっちゃうし。


【※スキル 結界(小)を取得しました】


 はい、来たー自動スキル獲得機能。www

 この能力は何だろう? 一定のマジックは継続的に減るが強者以外は突破することが出来ない。

 拠点を持つべく人にオススメなスキル。


 なるほどね、範囲を決めてその範囲内は入れないって感じかぁ〜。私って便利。


「ゴブリンさんもあんまり広い行動は出来なくなるけどいいかな? それなら守れるかも。その代わりここに来たときに美味しいケーキ食べさせてね」

「カマワナイ」

「交渉成立ね」


 私は結界(小)の能力を使いある一定の範囲(どのくらいかは知らないけど)に結界を張った。

(別にケーキのためじゃないんだからね‼︎)


 あとは村人への説得かぁ〜。何だか大変な予感。とほほ

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