第7話 痛い目に遭う前に気づいて
......ん〜。仕方がない、ここは一発かまさなきゃダメだよね。見せしめゴブリンさんゴメンね。
私は一番最初に射程圏内に入ったゴブリンに目一杯のグーパンチを入れてみたんだ。
(ちゃんとウサギ猫の毛を手に巻いてね)
斜め上に飛んで行ったゴブリンは壁にゴブリンが一体通れるかくらいの穴が出来た。
「結構、深い穴作っちゃったよね? これ」
ゴブリンさん、本当にごめんなさい。ここまでしないとヒゲゴブリンが納得してくれそうにないんだもん。
どう? これで私とあなたたちの差が分かった.......はずだよね?
ねえどうして、それでも襲いかかってくるのよ! ちょっとゴブリンさんの想いをちゃんと受け取って。
(みんなゴブリンか)
私はあまり気は進まなかったけど、攻撃を避けては、ラビット猫の毛を纏った手でゴブリンに触れて行くという行動を繰り返していった。
それでも壁に跡が付くってやばくない? ねえ私、どこまで強くなればいいの? 装備だって初期装備で全クリ出来てしまうじゃないかと思っちゃうもん。
100体くらいかな? ゴブリンの数。ゴブリンは四方八方の壁に張り付けにされているんだけど、これは悪夢だよね。
また人間が嫌いって思われちゃうよね。
悪循環じゃん。もう!
「gnaiohgoahra(マタマケルノカ)」
「nusohah9h(お願い、もう戦いたくないの)」
「ijtaibaojgb(ソノテニノルカ)」
ヒゲゴブリンは斧を持って襲って来たんだけど。ねえ、通訳の意味‼︎ そこ私が言いたいのは!
もう仕方ないから一番相手の心をおることをしようと。私は斧を刃先の部分に拳を当てて破壊させた。
(......どんだけ堅いの! 私の拳!)
ヒゲゴブリンも冷静さを取り戻したのか、野生の勘なのか分からないけど大人しくなった。
これでやっと話しが出来る。
「nihafohraii(お話しできる?)」
「itganbvugbia(ソノマエニナカマノケアヲシタイ)」
と、ヒゲゴブリンは薬草? かな? それを一人一人のゴブリンたちに与えていた。
めっちゃ優しいじゃん。でも大丈夫かな? 生きてたらいいけど。
(自分がやっておいてあれだけど。最初のゴブリンさんはごめんなさい)
数十分経つとゴブリンたちは傷を負いながらも息を吹き返していた。さすがモンスターの生命力!
最悪は免れたわ。とICUの医者みたいなことを思ってみる。
ひと段落したヒゲゴブリンは私の前に来て頭を下げるよ。村の住民よりも礼儀正しくない?
それは一言多かったか。反省。w
「nfuaigriuu(オマエハナンカチガウ)」
やっと分かってもらえたようで。人でも何でも痛い目を見ないと分からないのかな?
とかそんなこと思っちゃったり。
「vayevyrvy(何があったのか話してもらえますか?」
「egyaegyrgay(アア、ハナス)
とヒゲゴブリンは寂しそうな表情で天井を見上げた。
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