第5話 木の棒は最強の武器です

 とにかく北の洞窟に向かってみよっと。

 武器とか持ってなくて大丈夫かな? 買うお金もないし、かといって斧を振り回しながら闘うキャラでもないし。

 この道なりにいってみよう。


 私は何も考えずに、生い茂っている道を歩いていると、草むらがゴソゴソと動いたの。

 えっなになに? モンスターってこのタイミングで出てきたりするの?

 草むらに目を向けていると、ひょっこりウサギの耳をした猫が出てきた。


「何この子めっちゃくちゃ可愛いんだけど」


 ウサギ猫が戦闘モードに入り、私に襲い掛かってきたんだけどスローモーションを見ているようにゆっくりなの?

 ってか怒った顔も可愛い。♡


 私はギュッと抱きしめてあげるとその数秒後、ウサギ猫はバタンキューしちゃった。

 そんなに力強く抱きしめたつもりはないんだけど......これ力加減が難しいかも。

 私は大木に向かってパンチをしてみたらただただ痛くて、殴った手を抑えた。


 これってどちらかが戦闘態勢にならないとステータスが意味をなさないってこと? ってことは私生活には問題ないと......信じたい。


 ウサギ猫が落として行ったウサギの皮と小さなコインが3枚。これが今回の報酬なんだ。

 なんか本当に楽に戦えるかも。

 私はとりあえずこの辺にいるモンスターには負けないということが分かったのでスキップで歩いていうと、勝手に戦闘態勢になっているモンスターたちがそのスキップの地響きによって倒されていっていたことを、この時の私は知る由もなかったの。

 だって、ただのスキップだよ。それで倒せるなんて思わないじゃん。


 距離的には5キロくらいかな? ステータスのおかげか、運動不足ともいえる生活をしていた私でも全く苦になることもなく、北の洞窟に着くことが出来た。むしろ楽しかった〜冒険ってなんか好き。


 洞窟に入ろうとすると、背の低いゴブリンたちが洞窟を守ろうとしている。


「やっぱり、この中にボスがいるのね」


 ゴブリンたちは棍棒を持ち私に殴りかかろうとしてきたが全く持って当たらない。ゴブリンたちからしてみたら10倍速くらいのスピードに見えてたんじゃないかな?

(流石のスピードです。www)


 ゴブリンを直接攻撃するのが嫌だったから、近くの木の枝を持ってゴブリンにヒットをさせると、ゴブリンは吹っ飛び大木に大きなあと付いた。


「ただの枝なんですけど!」


 ヤバイ、これ逆の立場だったら絶対にヤバイやつにあっちゃったよっていうや〜つ。良かった私で。

 とか変な安堵を感じ、ゴブリンたちを一層していった。


 まあ、こんなところでしょう。

 ......それにしてもなんだか。岩に穴が空いてるわ、地面はえぐれてるわ、本当に事件だよね。

(悪魔だな私。あははははは)


 と思いながら洞窟に入って行った。

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