第2話 強くてニューゲーム

 木の子屋の中で大きな声を発した私にはその時に微塵も恥ずかしさもなかった。

 だって、LV99だよ。もう、何も楽しみがないじゃない。

 他に何をすればいいって話よね?


 確かにスキルの欄には何も書かれてないから、経験をすることによって色々覚えていくんだと思うんだけど、


【HP】   9999

【MP】   7000

【攻撃】    2500

【防御】   70000(異様に高くない?)

【魔法攻撃】 3000

【魔法防御】 70000 (だから高すぎだって)

【素早さ】 100000(そもそも攻撃が当たらないんじゃないかな?ww)

 

 特殊スキル ステータス異常無効(私はどうやったら倒されるの?)

 強くてニューゲーム


 ......何なの? というしかなかった。この異世界での普通が分からないから何とも言えないけど、おそらくこの世界を破滅へと結びつけるくらいの戦力はあるんじゃないかな?

 うん。もうこれやることはないな。


 あははは。


 と思ってステータスをちゃんと見てみると、何やら強くてニューゲームって書いてある。

 何これ? とそのボタンを押してみると。

 私の目の前に【強くてニューゲームしますか?】と出てきて、【いえす】【のー】の表示が出てきた。


 ん〜正直な話、このまま何もやることなく過ごしても面白くないかなら、少しパラメータが下がってこの世界を楽しむ方がいいじゃん。よし、ここは迷わずイエス‼︎


 私がイエスを押すと、私の周りに光が纏って、力が抜けていく感覚があった。


「やっぱり、私の思った通りだ!」


 とステータスを確認すると

【LV1】になっていた。


「やった! これでこの異世界を少しは楽しめるかもしれない」


 と下にスクロールしていくと......


【HP】   9999

【MP】   7000

【攻撃】    2500

【防御】   70000

【魔法攻撃】 3000

【魔法防御】 70000

【素早さ】 100000


「......パラメーター変わってないやないかい!」


 私は今までの人生の中で最大限の声でツッコミをしてしまった。


「なんなの? まだ強くなれるってこと? これ以上強くなる意味を教えて欲しい。まあレベル1になったから驚かれることはないと思うけど、パラメーターは見せない方がいいかも」


 なんて苦笑いをしていると、私の周りが騒がしくなってきた。


「おい、この小屋に誰かいるみたいだぞ」

「お前、入れよ」

「嫌だよ。物騒じゃないか」


 やば‼︎ そうだよね? そうなるよね? あんなに大きな声を出したら気になってしまうよね?

 私は遅いながらも両手で口を抑えた。

 そして私のいる小屋のドアがゆっくりと開き出した。

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