超絶‼︎ 今すぐ出来る異世界生活〜私、絶望的に強いんで〜

華多凛。(かたりん)

第1話 髪を切って異世界へ?

 私は西条琴音さいじょうことね。16歳、高校二年生。

 海が目の前にあるような田舎町に住んでいます。勉強もそこそこ、スポーツもそれなりに出来るけど、どこか刺激が足らないというか、これといって特技を持ってないというか。

 家族構成は父、母、お姉ちゃん、弟がいる家庭で育って。お姉ちゃんと弟は私が小さい頃にちょっと

 した事件があっていないけど、その分の愛情を常に頂いている感じで。

 友達関係はというと、特に見向きもせずに、そこへんに落ちているような定型文を話て終わりなんて、そんな毎日。それでも人は生きていけると思うからいいと思うけど。


 あははは。wwww


 Theトップオブ帰宅部ってやつですね! そんな私がここ、『ナギサの村』に着いたのは3日前のことだったかな。

 あれは髪の毛を切りに美容院に行ったんです。その当時は腰くらいまで髪の毛があって、バッサリと切って遅い高校デビューなんかしようかなとか、企んでて、結局は失敗するんだろうけど。www


 とにかく何でも良かった。満たされているようで満たされていない感覚からどうにか変えたいと思っていたから。

 人って誰かの代わりに愛させたって、見透かしてしまう。

 私はそんな感じ。3人分の愛を受け取っていたとしても、結局器は一つだけだから、愛はこぼれ落ちてしまうんですよね。これマジで。


 たった155cmの身長で、そんなに受け取れませんけど!

 という言い訳を自分にしてみる感じで。


 とにかく安い美容室を適当にネットで探して、足を運んで、ボブくらいにしてもらおうと言ったら。

 美容師さんがこう言ってきたんだよ。


「髪の毛を寄付しませんか?」 って


 ほら、30cmかそのくらいの長さがあると、寄付出来たりするみたいなことを聞いたことがあったから、


「いいですよ」


 なんて気軽に言っちゃったもんだからさあ大変。


 椅子の下に魔法陣が浮上してそこから気づいたら、ナギサの村へ直行便。

 ここから私の異世界生活が始まったってわけ。


 初めはびっくりしたことの方が多かった。

 特にステータスなんか。

 私の目の前に浮かぶ家のマークを押すとそこから、【ステータス】やら【装備】やら書いてあるんだもん。とりあえず、ステータスを押してみるよね。


 最初の頃なんて大体、レベル低くてもある程度ステータスは高いっていうのが一般的だから、そこは驚かないけど。

 一番最初に目にした文字【LV】


「ねえ、いきなりレベル99って何よ!」


 それが異世界で放った私の言葉でした。

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