第49話
…」
かずさはまっすぐ信也を見る。
「お願いします。それでも諦めたくないんです」
「無理だとわかっていても?」
「やらなきゃいけないんです」
信也は目の前の瞳に力強い光を見た。
「わかった、俺のできる範囲で協力しよう」
「あと、あさぎちゃん、君も夢の魔法の訓練をしてもらうよ」
あさぎはキョトンとする。
「なんでですか?」
「その夢の魔法はたぶん月の魔法の抑止力として、制御できなくなった者の命を終わらせるために使われてたんだと思う。その魔法が生物を殺すことにも使えるのは知っていたかい?」
「知りませんでした……そんなに危険な魔法だったなんて」
あさぎは声を暗くした。
「魔法は全て危険だよ、使い方しだいで凶器になり得るものだ。言ったらボールペンでも人は殺せるんだよ?なんでも使いようだよ」
「そう……ですね」
「使い方の一つにその対象を眠りから起きないようにすることができるんだよ、月の魔法ですぐに肉体の損傷を回復されるとしても目覚めなくなっちゃ無力だ、そして起きられなくなるってことは死だ」
「私に彼を殺せというんですね」
あさぎの声は落ち着いていて静かだった。
「もし間に合わなかったときはそうなるね、夢の魔法は使ってたんでしょ、ならあさぎちゃんの方は難しくない」
「わかりました……」
姉妹は手を握り合った。
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