第39話
かずさと狼たちの間に白の狼とその背に掴まったおねえちゃんが割って入ってきたのだ。
「かずさ! 大丈夫?!」
「おねえちゃん」
降りた姉に寄りすがった。
「怖かった……わたし……怖かったよ」
「もう大丈夫だから」
あさぎはかずさを抱きしめた。
「後ろに隠れてろ、俺が守るから」
かずさは頷く。
三日月はムクムクと狼人間になった。
他の狼も同様に姿を変える。
「三日月……」
と黒毛の狼人間。
「お前らこんなことをやっていておかしいと思わないのか!」
三日月は声を張り上げる。
「三日月兄ちゃん……」
「お前たちまで……」
まだ大人になりきれていない者たちまでここにいる。
「誰かに言われたことになにも思わず従うだけ、自分の考えが無い、そんなのどうかしているだろ!」
「あの方が決められたことに俺たちが口を差し挟む余地などあるはずがない、誰のおかげでここまで生きてこられたんだと思う!」
「あの方のおかげだ……だけど!」
「あの方の意思は俺たちの意思、仲間たちを殺したお前はもう裏切り者で敵なんだ!」
十六夜が今はリーダーのようだった。
「この前とはひと味違うぜ……」
「ごめんね……三日月兄ちゃん」
十六夜の体は一回り大きくなった。
他の者たちもいきなり大きくなる。
なんだ……
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