第27話
「おやおや」
どういうことだ……
人間を食っている?
俺が?
そんなの……
おかしいだろ。
三日月は少女の入った檻の前にいた。
胸から荒く息をはきだす。
少女と目が合う。
「逃げるぞ」
月明かり照らす山道を狼が背に少女をしがみつかせて走っている。
「わんちゃん、わたしのお家わかる?」
「ああ」
狼の遠吠えが聞こえてきたような氣がした。
三日月は氣にせず走り続けた。
だんだんとスピードを遅くする。
だんだんと、だんだんと、そして、止まった。
「どうしたの?」
「おりてな」
「うん」
りかは手を離して地面に降りた。
目の前の木立の影から無月と他に三匹の仲間がでてきた。
回りにも数頭、林の影に隠れている。
狼の唸り声。
目の前の狼は犬歯をむき出しにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます