第14話
ひゅん。
「うわ!」
かずさはとっさに避けて、茶色い泥が道に砕けて痕を残した。
「こら、糞ガキがあ!」
少年はケタケタケタと笑いながら走り去っていった。
「なによ火炎うんこってただの泥じゃない」
あさぎはお腹を抱えながら笑っている。
はーあと言って落ち着いてから、
「ねえ、普通のうんこと燃えたうんこどっちが嫌かな」
「どっちもいやだよ」
「燃えてたらさ、なんでも一緒な氣しない?」
「ホントだ、うんことか関係なしに嫌かも」
「ただいまー」
姉妹が帰って来ると狼がソファから降りて尻尾を振りながら玄関まできて、かずさを迎えてきた。
「よしよし」
かずさは狼をなでた。
「ねえ、なんでかずさにだけなついてんのあんた」
「俺は料理ができない女は好かん」
「はあ?!」
その日、彼女は白のオフショルダーのニットと細身で丈の短めのジーンズにヒールの装いだった。
シンプルな装いに、運動しているのであろう、しなやかな体つきがとても魅力的に映った。
「素敵だ……」
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