第11話
一匹の狼が目の前にいた。
「無月……」
その狼の体に傷が現れて、足がもげて首が落ちて崩れた。
「う……あ、」
絶句する。
また違う狼が現れて、はらわたをぶちまけてドッと倒れる。
また一匹。
また一匹。
また一匹。
また一匹。
また一匹。
また一匹。
「やめてくれええええ!!!」
少女が笑いながらこちらに走ってきた。
「はっ……、はっ……、」
動悸がして息が苦しい。
そのまま少女は首から鮮血を吹き出したまま楽しそうに俺のまわりをぐるぐると回る。
俺は頭を抱えた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…………」
薄目をあけると朝の光が。
ソファに座っている白いパジャマを着た女は白いカップに紅茶を入れて飲んでいた。
「おはよう」
三日月は挨拶を返して、体を起こす。
何だろうか、いつも悪い夢を見て目覚めが悪いのに今日は不思議と氣分良く起きられた。
「待ってて、ご飯作るわね」
そう言って、立ち上がりキッチンに向かうあさぎを見て、三日月は人間の姿になり服を着てテーブルの前に座っていた。
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