第7話
ショート「いなくなっちゃったね」
クセ「二対一だから、分が悪いと判断したんでしょ」
ショート「ごり押ししてくるタイプだと思ったんだけどなあ」
クセ「人は見かけによらず、よ」
目の前にあった氷が溶けていく。
後ろ足が焼けて焦げた臭いがしていた。
痛い。
さっきの魔法使いと戦っていた、別の魔法使いが近づいてくる。
来るな!
唸り声をだして、警告した。
犬歯をむき出しにする。
一人がしゃがんで声をかけてきた。
「もう大丈夫よ、怖くない、怖くない」
手を伸ばしてきた。
「グルルルルル」
もう一人がそいつの後ろに立つ。
「怯えているね、この子」
目をそちらに向けた。
なんだろう。
時が、
止まったように感じた。
胸が高まるのがわかった。
目が離せなかった。
彼女は綺麗だった。
なんだ、
この感覚は。
まるで満月を見ている時のようだ……
狼の唸りはだんだんと小さくなっていく。
ショート「あり?」
ショートヘアの女は狼の体に触れてみる。
触っても大人しかった。
女は撫でながら、家で手当してあげるからねと言った。
狼はじっと撫でている女を見ていた。
「ねえ、なんで私だと唸ってくるのよ」
「見る目がある、この子」
「なにそれ!」
「あ、ほっぺに三日月形のハゲがある」
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