第10話 戦争準備
「それじゃ、定例報告を始めようか。」
「今回は私が司会を担当します。」
隣に座っていたミューが立ち上がって言った。
「まずは村の報告をデルタ、お願いします。」
「とりあえずあの一件以来王国の関係者が来た気配はありません。それに、農作の第一段階も成功と言っていいと思います。」
「確か米と麦を育てさせていたな。」
「両方とも今のところは順調に育っています。あとは米や麦を食べる虫がいるかだけかと。」
「とりあえずは大丈夫そうだね、ほかに何か報告することはある?」
「なら俺から少しいいか?」
「何かあったのか?ガンマ。」
「ギルマス達が帝都に行っている間に王都に行ってみたんだけどな、冒険者達がここにくる可能性がある。」
「それは本当か?」
「間違いねぇ、特殊クエストとして王都のトップ10のパーティがここの調査に来るらしい。」
「戦争に対しての準備もあるのに面倒だな。そいつらの戦力はわかるか?」
「まず前提として冒険者ランクについて説明させてくれ。ランクとしては下から黒、銅、銀、金、プラチナ、虹がある。黒は基本的にレベル10前後そこから5ずつ上がっていく感じだが、虹だけは特殊だ。最低でも逸話級魔法が使えないとなれないらしい。今回の内訳は金5、プラチナ3、虹2だな。」
「逸話級が使えるってことは最低でもレベル45以上のやつがいるってことだな。」
「目的はここの調査と帝国との戦争で使える武器などがないかの探索を兼ねているらしい。到着は3日後だ。」
「これは静観できそうにないな、よし、決めた。その冒険者達は全員俺が相手をする。」
「それは確実ですけど、わざわざギルマス自ら出るほどのことですか?」
ミューがそう言ってきた。
「ここの防衛を俺と最終兵器であるシータで対応する。その間に手分けして王国の戦力調査と帝国への交渉を任せたい。」
「交渉ですか?」
「そうだ、王国がこちらに襲い掛かるならそれを大義名分にして帝国とつなぎを持っておきたい。」
「かしこまりました。すぐさま手分けをして各地に人員を配置します。」
「今回の目的はただ1つ、このギルドとタギヌ村の存続だ。降りかかる火の粉は払わなければならない!そのために各々の全力を尽くせ!」
「「はい!」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます