第2話 遥香side

水瀬遥香。高校1年生です。


篠原君にマネージャーのお誘いを受けました。

私がマネージャーをしてくれたら嬉しいって言って貰えました。

自分を必要としてくれてる人がいるって凄く嬉しい!


お兄ちゃんのいる3年生の教室は私達の過ごす6階から2階下がった4階。

お兄ちゃんって何組なんだろう…?


「あの、水瀬透はいませんか?兄なんですけど…」


近くにいた男の人に声をかけてみる。


「透?同じクラスだから呼んでくるよ」


いい人だなぁ…。

そんな事を思っていると中からお兄ちゃんが走ってきた。


「遥香〜!お兄ちゃんに会いに来たの?可愛い〜!」


間違ってはないけど…なんか違う気がする。


「透,キャラ変凄いな。」

「そんなことないって!雄登君,ひどいよ!」


さっきの人,雄登先輩って言うんだ!


お兄ちゃんは基本クールで、ファンクラブもある学校の有名人なんだけど、実はシスコン。


「お兄ちゃん、近いよ…!」

「え、ごめん」

「大丈夫〜」


こういう事も含めていいお兄ちゃんだと思うなぁ…。


「あの子、もしかして水瀬君の妹さん?」

「目が大きい所とか似てる〜!」

「可愛い!推したい!」


お兄ちゃんのファンクラブの人達かな?

いい人そうで良かった~。


「それで、遥香どうしたの?こんな所まで。」


あ、忘れてた。


「私,サッカー部のマネ―ジャーやりたいな…。」


なんかちょっと恥ずかしい。


「ホントに⁉嬉しい!顧問に言ってくる!」

「あ,ちょっと…!」


お兄ちゃん走って行っちゃったよ…。


「透っていつもあんな感じなの?」

「家ではいつもあんな感じです。」


その場に取り残された私と雄登先輩。


「サッカーのマネージャーするんだね。僕もサッカー部なんだ。」

「そうなんですか?サッカー部にはいい人たちがたくさんいるんですね。とても楽しみです!」


雄登先輩もいるし,お兄ちゃんもいるし,篠原君もいる。

楽しみだなぁ。


「今日の放課後見学においでよ。皆喜ぶと思うよ。」

「はい!ありがとうございます。」


チャイムが鳴りそうな時間になったから,先輩に挨拶をして教室へ戻り始めた。

サッカー部…!放課後まで待てない!

篠原君に感謝です。


~その日の授業中の雄登~


(雄登side)

透の妹の遥香ちゃん。よし,覚えた。

なんか,笑顔が綺麗でこっちまで元気貰っちゃったなぁ。

凄く気分がいい。


「清滝...清滝!」

「はい!」


先生に2回も呼ばれるまで気づかなかったなんて。


「今日はなんだか楽しそうだな。」


普段あまり笑わない僕が笑っていたからだろうか。

先生も安心したようだった。


「ええ,今日はとてもいい日になりそうです。」


全部,遥香ちゃんのおかげ。










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