第13話 【洗濯】
ロボ「このまま進むと、川デス」
少女「そうなの?」
ロボ「川幅は約40メートル」
ロボ「橋を渡るには少し迂回しないといけません」
少女「んー、そっかあ」
ロボ「迂回しマスか?」
少女「あ、ちょっと待って、ポンコ」
少女「河原はある? 川に降りられるような場所は」
ロボ「ありそうデスね」
少女「よっしゃ、じゃあそのまま進もう!」
ロボ「渡る気デスか、ご主人」
ロボ「ワタシは防水機能がありマスが、長時間の水泳は自信がありません」
少女「違うって、洗濯すんのよ洗濯!!」
少女「洗ってない服がたまってるからね」
ロボ「なるほど」
ロボ「確かに最近、少しくさいデスもんね、ご主人」
少女「オブラートに包め!!」
ロボ「ああ、これは広いデスね」
少女「おー! 最高の河原だね!」
少女「いわゆる賽の河原だね!」ダダダッ
ロボ「あ、いきなり走ると危な……」
少女「あーっ!!」コケッ
ロボ「……いデスよ……」
少女「……」
ロボ「だ、大丈夫デスか!?」
少女「……」
ロボ「すごいテンションが落ちましたね」
少女「……」
ロボ「さ、さあ、洗濯しましょう! 洗濯!」
少女「……する」
ロボ「まずはなにを洗いマスか!? 下着デスか!? タオルデスか!?」
少女「全部……」
ロボ「はい?」
少女「全部洗うっ!! くそー!!」
少女「おーりゃあああああああああ!!」
バシャーン
ロボ「なんと豪快な」
少女「洗剤! 投入! 水質汚染なんて知るもんかあー!!」
ザバザバァ
ロボ「いきなりテンションがMAXになりましたね」
少女「今着てるやつもいっちまえー!!」
スポポン
バシャーン
ロボ「……」
ロボ「ワタシは干すための枝などを拾ってきマス」
少女「よろしく!」ゴシゴシ
ロボ「ご主人、洗濯のあとなにを着るつもりなんでしょうかね」
ガサガサ
ロボ「人目がないとはいえ、ワタシが間近にいるのに……」
ガサガサ
ロボ「いい年してすっぽんぽんとは、恐れ入りマス」
ロボ「……」
ロボ「ワタシ、独り言なんて言うタイプだったかな……」
ロボ「あ、賽の河原に対するツッコミをする機会を失ってしまいました……」
……
少女「やばい、着るものがない」
ロボ「今頃気づいたのデスか」
少女「なんで止めてくれなかったの!?」
ロボ「ちょっと時間が足りませんでしたので」
少女「Heyポンコ、わたしに似合うシャレオツな服を出してちょうだい」
ロボ「ワタシの能力の限界を超えていマス」
ロボ「あとシャレオツは止めたほうがよろしいかと」
ロボ「あ、それから賽の……」
少女「え、なに、サイがなんて?」
ロボ「……なんでもないデス」
少女「ポンコ、暖かい布」
ロボ「ワタシのカバンに予備がございマス」
少女「わお、準備がいいわね」
ロボ「ご主人が入れたものデスよ」
ガサガサ
少女「……くさい」
ロボ「デスね」
少女「洗濯は二日に分けた方がいいわね」
ロボ「学習しましたね」
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