第12話 【運動テスト】
ロボ「このまままっすぐ進むと学校がありマスね」
少女「小学校?」
ロボ「そうデス」
少女「運動場ある?」
ロボ「ありマスね」
少女「よっし、ちょっと運動してこっか」
少女「校舎で泊まるのも面白そうだし」
ロボ「病院で寝るのは無理で、夜の学校は怖くないんデスか?」
少女「……やっぱ泊まるのはやめとこう」
ロボ「どんな運動がしたいデスか?」
少女「んー、ちゃんとした運動なんて、野球以来だしなあ……」
少女「運動不足だし、なんでもいいや」
ロボ「では、せっかくなので色々運動テストをしましょうか」
少女「げ、テスト?」
ロボ「ご主人の体力を測ってあげマスよ」
少女「ううう、自信ないなあ」
ロボ「まずは50メートル走デス」
少女「んああああああっ!!」
ピッ
ロボ「8秒89デス」
少女「っはあ、はあ、それってどれくらい?」
ロボ「ド平均デスね」
少女「ド平均て」
ロボ「続いてハンドボール投げデス」
少女「これ、投げ、にくいっ!」
ビュン
ボムッ
ロボ「9メートル23デスね」
少女「ふふふ、これはなかなか……」
ロボ「平均値まで5メートルほど足りませんね」
少女「マジか!!」
ロボ「もっと上を目指して投げるといいデスよ」
少女「難しいなあ……」
ロボ「長座体前屈デス」
少女「むむむぅ」
グググ
ロボ「おお、これはなかなかの記録デス」
ロボ「52.8センチデス」
少女「それってどのくらい?」
ロボ「全国平均プラス5センチといったところデス」
少女「やった!」
ロボ「足の短さが有利に働きましたね、ご主人」
少女「壊したろかお前」
ロボ「反復横跳びデス」
少女「はあっはあっ」シュタシュタ
ロボ「あと少しデスよ!」
少女「ひぃ、しんどい……」シュタシュタ
ピッ
ロボ「41回デスね」
少女「ふう、ふう」
ロボ「平均値まであと7回ほどデスね」
少女「げげ、全然足らないじゃん」
ロボ「重心が低いから有利かと思われたのデスが……」
少女「ほんま壊すぞお前」
ロボ「まあ人類が滅んだ今、平均値なんて意味のない数値デスけどね」
少女「……まあね」
ロボ「むしろ今、ご主人の数値が全国平均と言っても過言ではないのでは!?」
少女「……確かに」
ロボ「データを書き換えておきましょうか」
少女「そんなこともできるの?」
ロボ「ほぼワタシしかアクセスしない情報デスが」
少女「意味ないじゃん、わたしの個人記録として残しといてよ」
ロボ「了解デス」
少女「そういえばあんたが言ってる『全国平均』ってなんの数値だったの?」
ロボ「人類が滅ぶ前の女子中学生平均デス」
少女「中学生全体?」
ロボ「いえ、中3、15歳女子の平均デス」
少女「わたし今年14歳なんだけど」
ロボ「……」
少女「前にもあんたに年教えた気がするんだけど」
ロボ「……」
ロボ「大健闘デスね、ご主人!!」
少女「こーのポンコツ!!」
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