第11話 【病院】
ロボ「ポーン」
少女「ん……なに?」ムニャムニャ
ロボ「生体反応がありマス」
少女「ん……?」ネムネム
ロボ「同フロア、150メートルほど先デス」
少女「え? 動物!? 人!?」
ロボ「人型デス」
少女「昼間は誰もいなかったのに……」
ロボ「まだ、近づいては来ていません」
少女「寝込みを襲おうとか思ってるのかな?」
ロボ「なんだか佇んでいるだけのように見えマス」
少女「食料とか持ってたり、あ、いい補給場所を知ってたりしないかな?」
ロボ「近づいてみマスか?」
少女「んー、怖がらせても悪いし、ちょっと明るくして待ってようか」
ロボ「了解デス」
少女「……」
ロボ「少しずつ近づいてきていマス」
少女「平常心、平常心」
少女「驚かさないようにしたげないと、ね」
ロボ「近いデス」
少女「……」ドキドキ
ロボ「ポーン」
ロボ「……目の前に、いマス」
少女「え? なにが?」
ロボ「人型の、生体反応が」
少女「……」
少女「っぎゃあああああああああああああ!!!!」
少女「え!? なに!? なにもいないんだけど!? 怖いんだけど!?」
ロボ「目の前にいマスよ」
少女「やめろ!」
ロボ「じっと佇んでいマスよ」
少女「うわああああああ!! いないいない!! なにもいない!!」
ロボ「ご主人には見えないのデスか?」
少女「見えてたまるか!!」
ロボ「ポーン」
ロボ「生体反応が増えました」
少女「やめろぉ!!」
ロボ「近づいてきマス」
少女「来んなぁあ!!」ブンブン
ロボ「ポーンポーンポーン」
ロボ「あ、また増えましたね」
少女「もういや!! ミュート!! あんた黙って!!」
ロボ「ミュート命令を受け付けました」
少女「……」ビクビク
ロボ「……」
少女「……」ビクビク
ロボ「……」
少女「怖いんだけど!? 黙られると余計怖いんだけど!?」
ロボ「……」
少女「で、出よう。ここで泊まるのはもうやめとこう」
ロボ「……」
少女「ぽ、ポンコ、ついといで」
ロボ「……」ウィーン
少女「……野宿も怖いな……でもしかたないよね……」
ロボ「……」ウィーン
少女「で、できるだけ広いとこで……」
ロボ「……」
少女「明るくして寝よう……そうしよう……」
ロボ「……」
少女「いっそ寝ないほうが怖くないかも……」
ロボ「……」
少女「ポンコ、離れないでね」
ロボ「……」
……
少女「ふはっ!」ガバッ
ロボ「……」
少女「あ、朝か、何事もなかったかな?」
ロボ「……」
少女「あ、ポンコ、ありがとう。添い寝してくれてたんだね」
ロボ「……」
少女「そっか、ミュートしてたんだっけ」
少女「ミュート解除!」
ロボ「ミュート解除命令を受け付けました」
ロボ「ご主人が命令したからじゃないデスか!!」
少女「うおっ、ごめんて」
ロボ「え、ここが一番安全だと思いマスが……」
ロボ「え、そちらもたくさん人がいマスよ? 大丈夫デスか?」
少女「え、なになに、いきなりなに喋ってるの?」
ロボ「え、ここで寝るのデスか? 余計危ないデスよ?」
少女「もしかしてミュートしてた間の分、今喋ってるの!?」
ロボ「囲まれていマス」
少女「!?」
ロボ「囲まれていマス」
ロボ「囲まれていマス」
ロボ「囲まれていマス、危険デス」
少女「うわあああああああああああああ!!!!」ガタガタ
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