第3話 【ネタバレ】
ロボ「そこで男はこう言ったそうデス」
ロボ「ここを通りたきゃ俺に倒されてからにしな、と」
少女「倒されたら通れないじゃん……」
ロボ「よくあるセリフのパロディデスね」
少女「なるほど、面白かったわ」
少女「便利ね、たくさんの情報にアクセスできるってのは」
ロボ「この世の情報はすべてワタシからアクセスできマスからね」
ロボ「知らないことはないのデス」
少女「はは、全知だ」
ロボ「こんな話もありマスよ。かの有名なスターウォーズep12からの引用デスが……」
少女「え、待って待って! 12まだわたし見てないから!」
ロボ「主人公の年金・未払いウォーカーが……」
少女「いないからそんなキャラ! ファンタジーで年金の話すんな!」
ロボ「ご主人はネタバレは嫌いなタイプデスか」
少女「うん、だめ」
ロボ「では大事なところだけ伏せて話しましょう」
ロボ「腰痛を患ったヨーダが……」
少女「いやいやいや! 見てない映画のストーリーまだ聞きたくないから!」
少女「1ミリたりとも話すな!」
少女「ていうかヨーダ出てんの!? ep12で!? は!?」
ロボ「ではご主人がすでに知っている物語の話なら問題ないデスね」
少女「そうね、昔話とかなら今更ネタバレも気にならないし」
ロボ「そういえば桃太郎のep7の結末デスが……」
少女「待って待って!! 桃太郎なんてep1しか知らないけど!?」
ロボ「おや、2から7は見てないデスか」
少女「存在してたことも知らないよ!」
ロボ「ep4でダークサイドに堕ちた桃太郎を犬が叱咤するシーンは感涙ものデスのに」
少女「なんか混ざってないそれ!? スターウォーズに引っ張られてない!?」
ロボ「『あなたは必ず騙される』という謳い文句を見ると絶対騙されたくなくなりマスよね」
少女「わかる」
ロボ「『二度読みたくなる』という小説も、意地でも一度しか読みたくないデスよね」
少女「わかる」
ロボ「『衝撃のラスト15分!』と言われると、直前でいったん止めて展開を予想しまくりマスよね」
少女「劇場でその手は使えないから!」
少女「……ていうかあんた本当にロボット?」
ロボ「しかし世の中にはネタバレを是とする人もいるのデスよ」
ロボ「びっくりしたくないから先に結末から読んでおく、といったような」
少女「え、そんな人もいるの?」
ロボ「推理小説では犯人を指摘するくだりを先に読んでおいてから事件編を読むそうデスよ」
少女「えー、わたしには考えられないなー」
ロボ「ワタシも理解できません」
少女「あんた、ロボットよね?」
ロボ「ええ、実は人間でした、なんてオチはありませんのでご安心クダサイ」
ロボ「特に衝撃のオチもどんでん返しもブラックな結末もありません」
少女「はあ」
ロボ「ワタシが人間に対し反逆を起こしたり、ご主人を嬲り殺したりするシーンもありません」
少女「はあ?」
ロボ「ご主人がワタシを破壊して高笑いするシーンもございません」
少女「え?」
ロボ「『二人の旅はこれからも続きマス』といった感じの終わり方をしマス」
少女「あ、なに、この話してんの?」
少女「わたしメタいの嫌いなんだけど!」
ロボ「では、今日はこの辺で失礼しマス」
少女「わたしメタいの嫌いなんですけどー!!」
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