第2話 【宿泊地】

少女「今日はどこで寝ようかしらねえ」


少女「たまには毛布じゃなくて、柔らかいベッドで寝たいぞ、と」


ロボ「ポーン」


少女「おお、どうしたの」


ロボ「付近のホテル情報をダウンロードしマシタ」


少女「へえ、便利な機能」


ロボ「ここから徒歩10分、ホテルプラスチック」


少女「プラスチック?」


ロボ「豊富なアメニティで、一泊なんと7900円!」


少女「おい」




少女「今やお金とか自動販売機くらいにしか使えないから」


少女「ホテルで誰が受け取るのよ料金を」


ロボ「候補その2、駅近、ホテルニュー七瀬」


ロボ「駅からのアクセスが便利! 徒歩1分!」


少女「おい」


少女「誰が電車を動かすのよ誰が」


ロボ「候補その3!」


少女「聞いてよ」




ロボ「夕焼けサンサンホテル」


少女「名前っ」


ロボ「スタッフの対応がクソ」


少女「クソなんかい!」


ロボ「しかしそれを補って余りある豪勢な朝食バイキングは圧巻!」


少女「誰が出すねん!! コックもおらんわ!!」


少女「……おっといけない、つい汚い言葉が」




ロボ「候補その4!」


少女「まだあるんかい」


ロボ「ホテルぷりぷりプリンセス」


少女「また名前ふざけてる!」


ロボ「夜景がきれい」


少女「知らないわよ!」


ロボ「受付が美人」


少女「そのレビュー私情入りすぎ!!」


ロボ「隣室の喘ぎ声がうるさかったので☆1つデス」


少女「ただの苦情やんけ!!」




ロボ「……」


少女「駄目ね、興奮すると関西弁が出るクセ、直さないと」


ロボ「関西に住んでいたのデスか?」


少女「小さいころね」


ロボ「関西弁にも対応して応答できマスよ?」


少女「いいのよ、落ち着いて話せば関西弁は出ないから」


ロボ「ではなぜ今日は……」


少女「あんたがボケ倒すからでしょーが!」




ロボ「で、どのホテルにしマスか?」


少女「ベッドが柔らかいところ!!」


ロボ「なるほど……検索しマス……」


ロボ「さっきの中だと、ベッドの評価が高いのは『ぷりプリ』デスね」


少女「略すな!! なんかいかがわしい!!」


ロボ「で、どうしマスか?」


少女「もういいわよそこで!」


ロボ「では『ぷりプリ』までご案内しマース」


少女「え、あれ、もしかしてそういうホテルなの、それ……」


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