第12話
じんっじーんっじんじん♪
さぁご一緒にっ
コールレスポンスぁっ!
おっ出たっ.
「あのさっ.」
『ちょお今無理.』
「えっ!」
じゃあ出るなよっ.
「出れるならいいだろ!?」
『出れたら良いは無茶.』
「じゃあ出んなってっ!」
『切る.』
んあ”っ!?
「お前かけ直しても運転か叩いてるかで出ら…」
・・・
切れた…
くっそう.
今日はっ絶対にっ電話はっ
出ねぇ.
はぁ…
今日は厄日認定の日か.
俺限定か.
耳裏痒っ.
「帰り着いたけど今いい?」
かけてまった.今ならいい?
『まだ無理.』
お前っ!
「何でっ?」
今日,俺,大変な事あって…
とか言うつもりは無いけど.
『かけ直して言っただろ?』
言った…
言ったけど…
「分かったよ.
また後で.」
『おぉ.』
待つとかなぁ…
性に合わんからっ.
言いつつも
イライラしながら.
従順に待つ.
そっちがそうならなぁ…
こっちもこっちなんだよっ.
なんか意味不だ…
なんも考えないで叩いてよう.
インターフォンが鳴って…?
鳴って…
鳴ってるっ!
「誰かいねぇ!?」
この時間.家人誰も不在宅か…
「はいはい.
はーい.
はいっはいっ.」
「あぁ…」
「何?」
「何って…
開口一番の台詞おかしいだろ.」
「お前も,いらっしゃーい言ってねぇだろ.」
「あぁ…
いらっ.」
「そこで止めんな.
なんか怒ってんの?」
「いや…
驚いたってか…」
そう,驚いた.
「何か言いたい事あるんでそ.」
「あぁ…うん…まぁ…」
何してたの?
なんて聞くと…
普通に,ややこしい彼女みたいだな…
「立ち話?
で済む?」
「あぁ…中入りますか?」
「別に入りたいって催促しては無い.
短時間で終わらせろよ.立ち話なんだから.」
「何っ!?
入りたいなら入れてって言えよ.」
「頼まれてきたつもり.
そんなんだったら帰る.」
「ちょっ…
待って待って待って.」
腕掴んで,好きに言える人材は貴重.
お互いにって思って置きたい.
「久しぶりじゃない?来るの.」
「高校以来?」
「大学の時来なかったっけ.」
「なんか,記憶が曖昧.
来たような来なかったような.」
「そんなもんだなー.」
いつでも会えると思ったら,そんなもん.
「階段急だ.リフォームしろよ.」
「そんなん一存じゃ無理よ.」
ははっ.
「散らかってますけど.」
「家庭訪問じゃねぇから.」
「いちいちチェックする時あんじゃん.
あれ結構面倒.」
「手持ち無沙汰なだけだって.
他人の部屋って緊張しない?」
「そういや,じんのとこ行った事ない.
だって連絡したら直ぐ出るし,
呼び出せば直ぐ来るし,
わざわざ行かなくて所用が済むね.」
「今度来る?」
「何しにだよ.」
ちょっと斜め前見上げてお互い黙って笑う.
「これ,見て見て.」
「酷似,つかまんま.」
どうだ,すげぇだろ.
すげぇ…やばい奴だろ.
「きぃちゃんと二けつ.妄想ん中で.
やった事ねぇっ!」
「寒気が…出すなよ,これ.
出してくんなよ,やべぇから.」
「奇遇だね…同じ思いだから.」
だって…
きぃちゃん優しいから,
こっちに気があんのかと思っちゃったんだ.
思っちゃってたんだ.
激しく痛い奴とは露知れずだば.
きぃちゃんの楽器と似通ったメットになった.
してしまった.
いっつも直し込んでる.
もう出す事も無い.
こんなネタにしながら,
記憶が廃れんとこが…
阿保だな.めっきり.
会えば心が疼くんだから,
これは,もう,切り取ってぶん投げないと仕方ない.
死んじゃうから…
ほんと.
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