第4話 幸せの果実の効果

「遊びの王様、お久しぶりです」

さすが仕事の王子、ふざけた夫婦の登場にもひるむ事なく真面目に挨拶をしました。

「ようこそ仕事の王子、どうぞゲラゲラ水でもお飲み下さい」

遊びの王様はそう言って、黄色がかった飲み物を王子に手渡しました。

仕事の王子は結婚式の時にゲラゲラ水を飲んだことが有ったので、違和感を感じて王様に尋ねました。

「ゲラゲラ水は確か透明でしたよね?」

「実はあなた方の為に特別に熟成したゲラゲラ水をお持ちしたのです」

「そうでしたか、光栄です」

といい王子がそれを飲むと、明らかにオシッコであろう味がしました。

それもそのはずで、これには遊びの王様がイタズラでオシッコを混ぜておいたのですから。

「熟成オシッ、いやゲラゲラ水はいかがですかな」

遊びの王様はワザと真面目な顔をして王子の顔を覗き込みながら言いました。

仕事の王子は、塩っぱさと苦さでオエッとなるのを我慢して飲み干しました。

王様が結婚式で無言で帰ってしまった事を怒っていると思ったし、彼の機嫌をもっと損ねて幸せの果実が貰えなくなったら困ると考えたからです。

「部下の方々にも勧めて下さいな」

「もちろんです。おいお前達! 頂くのだ」

王子の家来達もオシッコゲラゲラ水を真面目に飲み干しました。

チンチクリンの王妃もイタズラの事を知っていたので、彼女は顔をハンカチで隠して笑っていました。

「幸せの果実もどうぞ召し上がって下さい」

王子が勧められた幸せの果実を見てみると、以前来たときは赤や黄色やオレンジのいかにも美味しそうなそれであったが、今回のそれはやけに茶色くて独特の匂いを発していたので、彼は王様に尋ねました。

「幸せの果実も熟成物をご用意頂いたのですか?」

「さすが王子、そのとおりです」

王子と家来はしぶしぶそれを口にしましたが、それは予想通りウ○コの味がしました。

ウ○コを食べたことはありませんでしたが、匂いが完全にそれでした。

王子と家来は頼み事があるので真面目に食べました。

遊びの王様は遊びでやっている料理人に、幸せの果実にウ○コを塗って出すように命じておいたのです。

味はウ○コでも幸せな気分になってきた王子と家来達は、この果実の凄さを知ることになりました。

「ところで今日は何故遊びの星に来られたのですか?」

王様が尋ねました。

「実は王様、私達の星で遊びの菌が蔓延してしまい、仕事の果実を作る者が減り、皆遊びほうけるようになって困っているのです。税金も入らなくなりました」

「ほう、それは良かったですな、ホッホッホッ」

遊びの王様は、イタズラで仕込んだ遊びの菌が仕事の星で大活躍している事を知って嬉しくなりました。

また、オシッコゲラゲラ水とウ○コ果実を真面目に食べる姿を見られたので上機嫌でした。

「では、こうしましょう。私達の星の幸せの果実の種を差し上げます。これを撒けば勝手に果実が実って食べ物に困る事は無くなるでしょう」

「ありがとうございます。お優しい王様のこと。きっとそうしていただけると信じておりました」

「ホイナ!」

と王様は叫び、仕事の星の宇宙船を指さしました。

家来に命じてあったので、幸せの果実の種は既に勝手に宇宙船に積み込まれていたのです。

「早く遊びたいから用が済んだら早く帰ってほしい、オタンコナス」

と王様は王子に言ったので、王子は

「アッカンベー」

をしてついでにお尻を突き出して

「ブブッ、ブリッ」

と、オナラをしました。

オナラのせいでウ○コが少し漏れましたが、王子は

全然気にせずに宇宙船に戻ってゆきました。

遊びの王様は、仕事の王子との間に友情が結ばれた事を感じていました。


王子が船内に入ると、沢山の幸せの果実の種の他に、ゲラゲラ水と笑い酒も積込まれており、手紙が添えられていました。

「来年もまた遊びに来て下さい、遊びの王様より」

宇宙船が発進して空に舞い上がった時、王子達が幸せと感動に包まれて遊びの星を見下げると、宇宙一不細工な夫婦と家来達が大きく手を振って見送っていました。

いつも大笑いしている夫婦が気のせいか泣いている様に見えました。


仕事の王子は星に帰ると、早速家来に遊びのついでで良いから幸せの果実の種を星中のあちこちに撒くように命じました。

数日で沢山の果実が実り、星中が食べ物で満ちて人々は幸せに暮らすことが出来るようになりました。

このあと仕事の星は、遊びたいものは遊んだら良いし、仕事をしたい者はそうすれば良い事になりました。

笑っても逮捕される事も無くなったのです。


遊びの王様は、遊びをもっともっと宇宙に広めたいので、壮大なイタズラを計画中らしいです。

チンチクリンの王妃は、今回のイタズラでますます王様を尊敬して好きになったので、二人は宇宙一幸せな夫婦になりました。


おしまいです。

それから、実は遊びの王様からの要望で、このお話しには読むと遊びの菌が移り幸せになってしまう魔法がかけられているのでご注意を。

もう手遅れですけどね。


このお話しは小さい男の子に読み聞かせてあげると喜びます、男の子はウ○コ大好きです。


もしまた遊びの王様の活躍があったらお伝えします。

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遊びの星と仕事の星 @mody

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