第5話

 まずは自分のプロフィールを書かなきゃいけない。


「セックスレス……って書くの、なんだか恥ずかしい、な」


 でも書かなきゃ話しかけにくい気もする。『結婚2年目、レス。相談がしたいです』これでどうだろう。


「よしっ!」


 気合を入れるために用意した缶ビールをぐびっと飲んで、スマホに向かい合った。

 件の女性の最新投稿はちょうど5分前。今日も彼は先に寝てしまいました、という言葉と泣いている顔文字。わかる、わかるよ。めちゃくちゃ気持ちがわかる。

 これに返信してみよう。


『初めまして。私も同じく、結婚2年目、レスです。私の夫も、すでに寝てしまいました。寂しいですよね』


 変なところはないだろうか。初めてだから勝手がわからない。


「ええい、いけぇ!」


 小さめの声で、それでも決意を込めて送信ボタンを押した。


「やった。やってやった」


 心臓が、どきどきしている。背中を向けられた時の心臓とはあきらかに違うどきどき。もう一口、ビールを飲んだ。

 返信が来るかわからないから、他の人のも見てみよう。そう思った瞬間、通知が届いた。

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