第7話
美月は余りにも急な星矢の死を
まだ受け入れられずにいる。
仕事は休暇を貰っていた。
何も手に付かず、ただ、ただ
時間だけが過ぎて行く。
そんな時
(うん、気持ち悪い!)
洗面所へ向かう美月。
(星矢の事で悩み過ぎで胃に
来たかな?)
翌日
美月は病院に行った。
[おめでたですね。]
先生の言葉に美月は頭が
真っ白に、なった。
家に帰った美月。
星矢の写真の前で
[星矢の生まれ変わりだよ!
やっぱり星矢は、何時も私の
側に居てくれるんだね!
ありがとう。]
お義父さんとお義母さんに
報告に行った。
[美月ちゃん、その子は諦めなさい。
貴方は、まだ若いのに1人で子育て
しながら仕事なんて大変よ!
人生、長いんだから!]
[いいえ、お義父さん、お義母さん
この子は星矢の生まれ変わりです。
私は1人ででも産んで育てます!]
[美月ちゃん、そんなに迄...]
泣く2人。
[分かったわ、身体気を付けてね
私達に出来る事は何でも言って
何でも、するからね!]
[ありがとうございます。]
次は私の両親だ。
[そうなの?産むんでしょう?
美月の事だから!]
[うん!]
[母さん、やったな!初孫だぞ!]
[そうですね、お父さん
おめでたいですね!]
両親は私の性格を分かってるので
最初から応援してくれた。
妊婦での仕事はキツかった。
ただ、みんなが経験者なので
協力してくれたので助かった。
その日、夜家に帰る道、空を
見上げた。
月が出ていた。
(星矢、言ってたな?月の側に
星が有るって!)
ジーット空を見る。
(月はある、星は?あっ!本当だ。
1つだけが、くっついて有る!
星矢、有ったよ!本当に星矢が
言う様に星矢と私だね。)
そして美月は産休に入った。
もう、何時生まれても、おかしく
無い状態だった。
(あっこれって陣痛?)
陣痛が始まった。
とりあえず星矢の両親と自分の
両親に言っておいた。
荷物の準備も出来てるし後は
病院へ行くだけだ。
病院に着いた美月。
分娩室に入る。
(陣痛って、こんなに痛いの?
でも頑張らないと星矢が守って
くれるはず!)
そして、やっと産声が聞こえた。
[元気な男の子ですよ。]
(星矢、やったよ産まれたよ!
喜んでる?)
分娩室の外では星矢の両親、私の
両親が泣きながら喜んでる。
[おめでとう。]
[お疲れ様。]
[ありがとうございます。]
そして、しばらくは実家に帰る
事にした。
産まれた子どもを連れて実家に
帰った。
[名前、決めないとね?]
[うん、もう決めてる!]
[そうなの?]
[うん、だから星矢のご両親に
家に来て貰いたいんだ!]
[じゃあ電話すれば?]
[うん!]
電話をする美月。
[お母さん、今日、来てくれるって]
[じゃあ、お茶の用意しないとね!]
しばらくして星矢の両親が来て
くれた。
美月は名前を言い出した。
[星矢が星で私は美月、月です、
この子は私達を包む宇宙です。
宇宙と書いて《そら》と呼ぶ様に
名前を付けたいと思います。]
[美月ちゃん、良い名前だね。]
[星矢も喜んでるよ!]
[美月、本当に良い名前だよ!]
[この子が大きくなったら、
みんなで名前の由来を話してあげよう!]
みんな大賛成だった。
そして落ち着いた頃、美月は自分の
家に子どもと帰った。
それから美月は毎日、宇宙に星矢の
写真を見せて
[宇宙、パパだよ!]
と言った。
美月は毎年、星矢の墓参りに宇宙を
連れて行った。
宇宙が話が出来る様になった3才を
迎える年、墓参りに行くと宇宙が
[ママ、これ何?]
と星矢の墓を指差した。
[これはね宇宙のパパの、お墓だよ。]
[お墓?パパって、ここに居るの?]
[ううん、パパは死んじゃったから
ここにはパパの骨だけが有るんだよ!]
[骨だけ?]
[宇宙が、もっと大きくなったら
パパの事、沢山お話してあげるね。]
[うん、パパ大好き!]
美月と宇宙は、お墓を後にした。
(星矢、見えてる?宇宙こんなに
大きくなったよ!将来は、きっと
星矢みたいに優しい素敵な男の子
に、なるよ!
星矢、愛してるよ!)
雲が風で流れて太陽の光が
差し込む。
まるで天と地を
星矢と美月を
繋ぐかの様に
一筋の光が差し込んだ。
月のそばに、いつも星があるように aki @nyontyun
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